【オータムリーグレポート】肝心な局面で白鴎大に違いをもたらす男、ポーグ健
「去年は出ている時間にスリーを決められるくらいの役割だったんですけど、今年はキャプテンシーとか、2Pを取りに行かなければいけない。スリーだけじゃダメということで、いろいろな役割があって悩んでいるところもあるんです。役割が増えたことは自分に任せてもらっているところがあると思うので、自覚してやっていきたいです」
白鴎大がディフェンディング・チャンピオンということもあり、対戦相手は常に100%以上の力で倒そうとする。しかし、ポーグはチャレンジャーとして1試合1試合に臨むことがいかに重要かを認識。開幕から5試合の平均は9.2点、4.4リバウンドだが、スタッツ以上に貢献度が高い選手として注目に値する。
■小さなスコアリングガードはオータムリーグ必見
英語でMust-see TVという言葉がある。絶対見逃せないテレビ番組という意味になるが、今年のオータムリーグで必見の選手としてお勧めするならば、筆者は山梨学院大の野溝利一の名前をあげたい。
野溝は身長164cmの小さなポイントガードだが、得点に対して非常に貪欲。距離が長く無茶な3Pを数多く打っているように見えるかもしれないが、「自分は高校時代(東海大付属諏訪)試合に出られなかったから、シューティングだけはずっと欠かさずやってきたし、今も継続してやっています」と語る野溝は、シュート力に絶対の自信を持っている。 去年のチームでもスターターを務めていることもあり、古田悟コーチからの信頼も厚い。8月28日の日本大戦では、20本の試投数で9本の3Pを成功させるなど30点をマーク。身長が180~190cm台、身体能力が高い選手にマッチアップされたとしても、ステップバックで一瞬でもスペースをクリエイトできれば、クイックリリースで3Pを決めてしまう。試合中にディフェンダーが「どうやって対応すればいいんだ」と首を振ったり、両手を広げたりするシーンも目にすることもあるくらいだ。