尹大統領、4日の国会施政演説を欠席… 韓国与党も批判「野党に石を投げられても当たる覚悟で来なければ」
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が4日、国会で行われる来年度予算案の施政演説に出席せず、韓悳洙(ハン・ドクス)首相が代読することが分かった。首相による大統領施政演説の代読は11年ぶりだ。施政演説は、国会の新年の予算案審議に先立ち、行政府の首班である大統領が自ら予算案の内容を説明し、国会の協力を求める場だ。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領が任期初年度の2013年から毎年、自ら施政演説をしたことにより、「大統領施政演説」は慣例として位置づけられ、尹大統領も2022年と昨年は国会に来て演説をした。 【写真】日本の石破首相と笑顔で握手する尹錫悦大統領
韓国大統領室関係者は3日、「国会の状況を考慮して(欠席を)決定したと聞いている」「今年9月の国会開会式欠席と事実上、同じ理由だ」と説明した。尹大統領は1987年の民主化以降、現職大統領としては初めて国会開会式に出席しなかった。大統領室はこの時、「特検(特別検事法)と弾劾を乱発する国会をまず正常化してから大統領を招待するべきだ」と言った。野党が言葉による暴力やプラカード・デモなどで大統領を侮辱する可能性が懸念されるということだ。 尹大統領の施政演説欠席が伝えられると、与党・国民の力からも批判の声が上がった。同党の韓東勲(ハン・ドンフン)代表は「施政演説は野党との関係の問題ではなく、国民との約束だ」として、尹大統領に施政演説出席を要請したという。劉承ミン(ユ・スンミン)元議員は交流サイト(SNS)「フェイスブック」に「野党に石を投げられても当たる覚悟で来なければならない。(研修医らの職場離脱による)医療現場の混乱や経済格差、財政危機、北朝鮮のウクライナ派兵など、国内外の総体的危機の局面で、大韓民国の大統領として国会に来て、国民の前で直接、国政運営方針を明らかにし、議会の協力を求めることより、もっと当然かつ重要なことがあるだろうか」と投稿した。 国民の力の金台鎬(キム・テホ)議員は「(国会で)ののしられても、それが国民に与えるメッセージの方が大きい。解決策をすぐに出すのは容易ではないので、危機を危機だと認識しているというメッセージをまず出すべきだ」と言った。崔炯斗(チェ・ヒョンドゥ)議員は「施政演説は国会と国民に切実に訴えることができる機会だ」と述べた。 韓国最大野党・共に民主党の姜由楨(カン・ユジョン)院内報道官は「『国会開会式も行きたくない』『施政演説もしたくない』なんて大統領の座を何だと思っているのか」と批判した。 ヤン・ジヘ記者、金耿必(キム・ギョンピル)記者