「夢中になれることを見つけて」いじめられ留学先でも孤独だった 池澤春菜さん、苦しさ救った「自分の世界」 STOP自殺 #しんどい君へ
声優 池澤春菜さん(48)
声優や作家として活躍する池澤春菜さんは中学時代、持ち物を隠されたり、避けられたりするいじめを受けました。学校に居場所がないと感じ、高校時代に留学したタイでは、ホストファミリーから食事を与えられず、さらにつらい経験をしました。しかし、留学やアルバイトでの経験を通じて、「くだらないことに付き合う必要はない」と割り切れるようになりました。子どもたちに「没頭できることや、心が逃げ込める場所を見つけてほしい」と呼びかけます。 【動画】「#しんどい君へ」池澤春菜さんからのメッセージ
本を隠され、クラスでは最後まで一人
小学生の頃から読書が大好き。小説から哲学的な本まで、大人向けの本ばかり読んでいました。「輪廻(りんね)転生はあると思う?」と大人と議論をするのが好きで、学校では休み時間や放課後は一人で読書に没頭することも多くありました。周囲になじめず、「学校に私の居場所はない。だけど耐えなければ」と感じていました。 中学受験をして入学した中高一貫校では、さらに友人関係に悩みました。 中1のある日、机にしまっていた本が見つからなくなりました。周囲から、「気づいたみたい」「どうするんだろう?」とあざ笑うような声が聞こえました。みんなの目の前で捜すのも嫌で、放課後に一人、教室中を捜しました。本は掃除道具入れで見つかりました。 グループ分けをする時には、存在しないかのように扱われ、いつも最後まで一人でした。「また本を読んでいるよ」と聞こえるようにクスクス笑われるのはよくあること。同級生にとって私は異質な存在で、どう接したらいいのか分からなかったのでしょう。 いじめっ子から排除され、「反応してみなさいよ」とさげすむような目で見られるのが嫌でした。昼食の時間は、みんなが机を向かい合わせておしゃべりする中、私だけ、ぽつんと一人。孤独な姿が可視化されているようでつらかったです。
中1の秋からお弁当は、家に帰って食べるようになりました。学校が嫌で、朝、玄関で靴を履こうとしゃがんだら、そのまま足が動かなくなって、気づけば2時間たっていたこともあります。昼食後に教室へ戻らない日や、学校を休む日が増えていきました。