縮む寒さ、うまみ凝縮 鮭川で「鮭の新切り」作り
鮭川村の伝統保存食「鮭(よう)の新切(じんぎ)り」の寒風干しが、今季も同村の産直施設・鮭(さけ)の子館で行われている。サーモンロードの会(矢口春巳会長)の会員が厳しい寒さの中、軒下にサケをつるす作業を進めていく。 寒風干しはうまみを凝縮する伝統の作り方。内臓などを取り除き、約1カ月塩漬けにし、水で2日間塩を抜く。70センチほどのサケ約30匹が用意された21日は、会員6人と新切りの体験教室の参加者らが尻尾付近にひもを結び付け、脚立に上がって金具にかけていった。 矢口会長によると、今年の採捕数は夏の高温により昨年の半分にとどまった。「近年は採捕数が減っているが、伝統文化を絶やさないためにも活動の発信に努める」と話した。サケは来年2月11日まで干し、完成品を同中旬以降に予約客らに販売する。問い合わせは同館0233(55)4460。