巨人・阿部監督、来季はキャプテン制を廃止「全員がキャプテン」 主将不在は2005年以来20年ぶり
【ホノルル(米ハワイ州)11日(日本時間12日)=谷川直之】巨人・阿部慎之助監督(45)が優勝旅行2日目、来季はキャプテン制を廃止することを発表した。チーム宿舎で催されたウエルカムパーティーで今季まで2年間務めた岡本和真内野手(28)の任を解くことを明かし、「全員がキャプテンになったつもりでやったら、とてつもないチームになる」と意図を語った。主将不在は2005年以来20年ぶりとなる。 アロハシャツをまとった阿部監督の笑顔が、真剣な表情に変わった。参加した約250人の前で10分間続いた熱いスピーチは、サプライズ発表で締めた。 「キャプテン制を廃止します。やっぱりプロだし、全員がキャプテンと思ってやってほしい。選手全員がキャプテンになったつもりでやってみてくれたら、とてつもないチームになる」 長嶋茂雄、王貞治、阿部監督、坂本勇人らチームの中心選手が担い、昨季からは岡本和が第20代として務めてきた。来季のリーグV、日本一奪回へ向け、選手全員の意識改革を促した。 主将廃止は『全員が主将』のメッセージでもあった。「背中で引っ張る。毎日、いろいろな目配りをする。自分の結果だけじゃなく、チームの結果も背負う」。自身も2007年から8年間、務めた主将としての〝3カ条〟をナインに説いた。 チームを4年ぶりにリーグ優勝に導いた岡本和はシーズン終了後、来季がプロ3年目の門脇への主将交代を直訴したというが、「阿部さんは『みんながそういう気持ちでやればいい』と。それも新風を掲げていた阿部監督らしい部分。キャプテンだからとか関係なく、来年も頑張りたい」と明かした。中心選手としての強い自覚は変わらない。 主将不在は2005年以来20年ぶりとなる。常夏の島で選手全員に植え付けられた責任感が、日本一奪回を手繰り寄せる。 ★モンテスはナイスガイ 阿部監督はウエルカムパーティーのスピーチで、今季での退団が決まっている28歳の内野手モンテスに感謝を語った。今季途中に加入したモンテスは、パートナーとともに優勝旅行に参加。指揮官は「ココ(モンテス)は途中から来て頑張ってくれて。ジャイアンツが好きでこういう旅行に来てくれた。来年は契約できないんだけど、こういうところへ来てくれて俺とも笑顔であいさつしてくれて、本当にナイスガイ」と称賛した。モンテスは笑みを浮かべ、会場からは拍手が起こった。