【入れ替え戦】J3昇格の高知って? 先制点はホームセンター勤務26歳、昨年は本田圭祐も練習
<J3・JFL入れ替え戦:YS横浜0-2高知>◇第2戦◇7日◇ニッパツ 日本フットボールリーグ(JFL)2位の高知ユナイテッドが、四国で唯一Jリーグクラブがなかった高知県で悲願のJ3昇格を果たした。全国的には、まだまだ無名クラブの横顔を紹介する。 ◇ ◇ ◇ ◆誕生 16年に2つのチームが統合され、Jリーグ加盟を目指して発足。かつてセレッソ大阪などを指揮した西村昭宏氏が監督、ゼネラルマネジャー(GM)などを歴任し、クラブの基礎を固めた(=24年1月で退団)。現在はJクラブから期限付き移籍中の3選手はプロだが、他は企業に勤務しながら競技を続けるアマチュアチーム。 ◆JFL 四国リーグから昇格し、20年は14位、21年は13位、22年は11位、23年は7位、24年は2位に入って、J3との入れ替え戦出場を決めた。 ◆地元出身の指揮官 吉本岳史監督(46)は高知・四万十市生まれで、南宇和、福岡大を経て名古屋グランパス、横浜FCなどでプレー。昨年は天皇杯でG大阪、横浜FCのJ1勢を連破し、4回戦の川崎F戦に惜敗。この日のベージュのスーツはG大阪戦でも着ており「ゴールドに見えるとX(旧ツイッター)で書かれていた。僕のラッキーカラーはゴールド。ゴールドに見えるのはすてきだと思って、験担ぎで着た」という。 ◆持ってる男 この日先制点を挙げたFW新谷聖基(26)は、京都府出身で名門・東山、京都先端科学大を卒業後、高知の入団テストを受け、実戦でオーバーヘッドシュートを決めて入団が決まった。その後は脚の手術で3年間活躍できなかったが、クラブは契約を更新してこの日の開花につながった。現在はホームセンター勤務。 ◆我慢の大ベテラン MF横竹翔(つばさ、35)は広島に5年間在籍してJリーグ経験がある。その後は高知で在籍10年。「プロ選手より、熱い情熱を持ってサッカーを続けている。選手としてまだまだ頑張りたい」。 ◆カズ獲得へ 21年12月に元日本代表FWカズ(三浦知良)に正式オファーを出し、最終的に同じJFL鈴鹿へ移籍した。 ◆本田圭祐も来た 23年8月、W杯でも活躍したMF本田圭佑が、高知県立春野総合運動公園陸上競技場での公開練習に参加。当時GMの西村氏との縁で実現し、選手は大きな刺激を受けた。 ◆経営難 昨年は資金繰りの悪化で、選手への報酬が遅れる事態が発生。今季から新社長の下で心機一転スタートした。「地方のクラブなので経営面は厳しい状況が続いた。今も続いているが、どうやって上にいくかが一番苦労した。このクラブのために1人1人が闘った」(横竹)。