「混雑ぶりは変わらないが……」終焉した中国人観光客の“爆買い”
東南アジア各国、ブランド品以外が伸びる?
訪日外国人の増加傾向は続いており、2017年1~3月の訪日外国人は前年同期比13.6%増の654万人。消費金額も同4.0%増の9679億円です。永井チーフアナリストは、政府が掲げる「2020年の訪日外国人の旅行消費額8兆円、2030年15兆円」という目標の達成は難しいかもしれないとしつつも、インバウンド需要は今後も堅調に推移すると予測。「中国にばかり目が向きがちですが、今後は人口が多く、経済発展が続く東南アジア各国(の旅行消費額)が伸びる可能性があります」。 百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングスの3月業績のうち、訪日外国人分野では、前年同月に比べ、購入単価が減った一方で客数は2ケタ増、売上高も上回りました。同社コーポレートコミュニケーション担当によると、以前は腕時計やブランド品が売り上げの中心でしたが、現在はその他の幅広い商品へニーズが広がっているといいます。同社では、今後も長期的にインバウンド需要が拡大すると見ています。 観光客の需要の変化に対応した動きもあります。需要の対象がブランド品などの「モノ」から、レジャーなど体験型の「コト」にシフトしつつあるとして、ラオックスでは年内に千葉ポートスクエア(千葉県千葉市)でビュッフェレストランの開店を予定。飲食やエンターテインメントといった「コト」を提供するサービスも展開する方針です。 (取材・文:具志堅浩二)