なぜ「今年の新入社員はひどい」が毎年続くのか…高学歴で優秀なはずのZ世代に「仕事」を教えるときの3大要点
■失敗が許される環境で練習させる ②研修の場ではどれだけ失敗しても構わない いくら「失敗してもいい。それも経験」と伝えたところで、やはり現場での失敗は本人にとってもダメージが大きいものです。失敗してしまったという自責の念や恥ずかしさ、また時には会社に損失を出してしまったり、お客様を怒らせてしまったりすることもあります。 その点Off-JT(職場外での訓練・研修)の場は、どれだけ失敗しても構いません。あくまで“擬似体験”の場ですので、間違えても失敗しても誰も責めることはありません。練習の場でできないことは本番でもできないとした上でロールプレイングなどの実践練習を行います。 例えば、当社の研修では名刺交換の練習も、ただ基本のパターンを教えるだけではなく「相手が大人数だった場合」「先に名乗られてしまった場合」「名刺を落としてしまった場合」など、さまざまなシチュエーションを想定して練習を行います。 失敗が許される環境で練習しできるようになることで、現場に出てからの不安を少なくすることができます。 ■「過ぎたるは及ばざるが如し」ではない ③成功する人と失敗する人がいるのではない 一般的に「成功する人」と「失敗する人」がいると思われていますが、それは全く違います。 ・成功も失敗もできる人 ・成功も失敗もできない人 に分かれると、私は考えています。 失敗するのが怖くて、チャレンジを避けていれば、おそらく大きな失敗をしてしまうことは少ないでしょう。けれどもそのあり方で大きな成功はあり得ません。ですので私はいつも「出過ぎる」ことを覚えてほしいという話をしています。 「今のは言いすぎた」「タイミングが早すぎた」「余計なことをやってしまった」などやり過ぎてしまったことは、周囲から怒られたり、本人も「やってしまった」と気づいたりすることができ、それが経験となり糧となります。反対に困るのは「足りない」パターン。目に見えないので、本人も周囲も気づくことがないうちに機会を失ってしまいます。 私は自社の社員に対しても「やり過ぎてしまった!」という失敗を責めることはありません。本人の考えがあった上での行動であれば、その経験は必ず未来に活きるからです。 「やり過ぎて失敗するのは歓迎です」と伝え続けることで、行くか行かないかで迷ったときに、行動するほうを選べるようになります。