レポート:中国の生成型AIユーザー、規模は2億3000万人に到達
【東方新報】中国インターネット情報センター(CNNIC)は11月30日、北京市で開催された「第5回中国インターネット基盤リソース大会(China Internet Infrastructure Resources Conference)」で「生成型AI応用発展レポート(2024)」を発表した。このレポートによると、2024年6月時点で、中国の生成型AI製品のユーザー規模は2億3000万人に達し、全人口の16.4パーセントを占めている。 レポートによれば、中国のAI産業のエコシステムは全面的に整備されており、関連企業は4500社を超える。AIのコア産業の規模は約6000億元(約12兆4439億円)に達し、産業チェーンはチップ、アルゴリズム、データ、プラットフォーム、応用といった上流から下流までの重要な分野を網羅している。 2024年7月時点で、中国では公的に認可を受け、一般ユーザー向けにサービスを提供する生成型AIの大規模モデルが190以上にのぼり、これによりユーザーに多様な選択肢と差別化された体験が提供されている。 生成型AIと各産業との融合が中国で急速に進んでおり、スマート音声アシスタントや自動運転車、機械翻訳、AI診断を活用したスマート医療、インテリジェント製造、スマートシティなどの分野で広く利用され始めている。レポートは、生成型AIの普及により、各分野でコスト削減と効率向上が実現されつつあると指摘している。例えば、北京市海淀区政府は行政業務用のAIモデルを導入し、データ検索や指標計算の作業時間を従来の3日間から1分に短縮し、グラフ作成やレポート作成業務を5日間から30分にまで圧縮した。 また、多モーダル技術が生成型AIの応用範囲を拡大しており、自動運転はその代表例となっている。北京市、上海市、広州市(Guangzhou)、武漢市(Wuhan)などの都市では、生成型AIを活用した移動サービスの実証実験が広く行われている。さらに、スマートエージェントがユーザーと各種サービスをつなぐ新たな架け橋として、行政サービスや企業運営分野で活用されている。 生成型AI産業の地域的特長についても、レポートは発展の中心地として北京、上海、広東省(Guangdong)の3地域を挙げている。これらの地域は国際競争力を備えた産業クラスターを形成しており、2024年11月時点で認可を受けた生成型AI製品の数は、それぞれ全体の31.1パーセント、27.2パーセント、11.7パーセントを占めている。 生成型AIの普及と応用が進む中、中国はこの分野での国際的な存在感を一層高めていることが、今回のレポートから明らかになった。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。