横断歩道での歩行者事故ワースト3位の長崎県「◇マーク」と反射材で命を守る 双方の心がけと意識改革で事故を防ぐ
横断歩道を渡っている歩行者と車の衝突事故が後を絶たない。衝突事故の件数が2023年、長崎県は人口10万人当たり14件で全国ワースト3位だ。歩行者の交通事故を減らすため、長崎県警は「反射材の普及」と「歩行者保護意識の醸成」を進めている。 【画像】道路上のマークの意味がわかりますか?
歩行者に対する保護意識が低い
道路上に示される◇のマーク。 この印が何を意味するか分かるだろうか。 答えは「この先に横断歩道がある」ということだ。横断歩道の30mと50m手前に表示されていて、ドライバーに「歩行者が優先であること」を呼び掛ける。しかしなかなかその意識は定着せず、横断歩道での事故は減らない。 そこで長崎県警は2024年1月から運転中の目線の先にある電光掲示板にも◇マークを表示し、さらなる注意喚起を行っている。 県警はドライバーにこの先に横断歩道があること認識してもらい、歩行者に対する意識をより一層高めてほしいとしている。 長崎県は2023年、歩行者と車の衝突事故の件数が、人口10万人当たり14件で全国ワースト3位だった。この原因について県警は「横断歩行者に対する保護意識が低いことだ」と分析している。 最も多い事故は、交差点で右折・左折するときに曲がった先の横断歩道を渡っている人にぶつかるケースだという。
歩行者は反射材の着用で身を守る
歩行者も自分の身を自らで守る必要がある。 県警は「反射材グッズの使用」がその効果を発揮すると話す。慌ただしくなり始めた師走の初め、長崎市の商店街で警察官6人が反射材付きのマスクやリストバンドなどを配布した。 日暮れが早くなったこの時期だからこそ、反射材の使用を呼びかけた。担当者は 「ピカーと光って存在がわかる。夕方に早めに着用すると身を守ることができる」と道行く人にその必要性を伝えた。 県警によると、長崎県内では2024年10月末までに1982件の交通事故(人身事故)が発生し、20人が亡くなった。このうち、歩行中に交通事故に遭って死亡したのは6人(5人は高齢者)で、いずれも反射材を着用していなかった。 反射材は車のライトなどが当たると光り、ドライバーに自分の存在を知らせることができる。反射材を着用しているのといないのとでは、車からの見え方に大きな違いがある。