新卒採用で“海外勤務確約”が話題 「配属ガチャなし」は良いことばかり? 加熱する人材争奪戦で選ぶ自身のキャリアは
■“配属ガチャなし”は良いことばかり?
“配属ガチャ”について、SNS上には「専門職でもないのに不満言ってるのは甘えだ」「新卒での最初の配属に感謝しています」「希望先に行けなかったのは理由があるのよ」などの声がある。配属ガチャがない会社に入ることは良いことなのか。 金融アナリストで名古屋商科大学大学院教授の大槻奈那氏は、「どちらにしろ新卒なので、入ってすぐ仕事ができるということはない。そもそも外資だとジョブディスクリプションで、“あなたはこういうことが求められている”と決まっている。そう考えると、配属ガチャがないのはお互いにとっていいことではないか」との見方を示す。 ただの元人事氏は「学生からしたらありがたいことだし、プラスだと思う」とする一方で、「銀行業務の基本のキとして、支店・法人があり、融資、預金為替などがある。もし僕が2年目にアメリカ確約だったら、これらの業務に対して熱量を持てないと思う」と懸念。 今氏は「会社が大きければ大きいほど部署が多いので、配属ガチャは絶対にある。向き不向きも入ってみないとわからない。ただ、入るところは本人が選べるので、会社ガチャはない。“自分が入りたい会社を選び、その中ではどの配属でもいい”というのが、キャリアとして正しいのではないか」との考えを述べた。
■人材争奪戦 大企業は“厚待遇”?中小企業は“ホワイト戦略”?
人材争奪戦が起こる中、大企業は初任給を引き上げたり、福利厚生を充実させるなど、待遇面を厚くしている。一方、中小企業は週休2日を2.5日にしたり、残業ゼロや男性育休取得率100%、その他ユニークな休暇で“ホワイト戦略”をとるところも見られている。 ただの元人事氏は「そもそも給料や福利厚生で選ぶ人は、他にもっと良い条件があればそっちに行くだろう。やはり入社した後に業務は楽しいか、楽しくなくても仕事にポジティブなものを感じられないと、意味がないと思う」と指摘する。 今氏は「中小企業は給料のテーブルには乗っていけない。別の戦略をとるしかない」とした上で、「例えば週休2.5日にしたら0.5日分がマイナスになるが、それよりも人が来ないことのマイナスのほうが大きい。うちは小さい会社だがフルリモートで、年間1万人以上の応募が3年続き、190人ほどに成長している。そういうニーズはやはりある」と紹介する。 また、「今の仕事が選べる環境は、生活を犠牲にしたくないということ」「企業のほうがある種立場が低いことを受け入れていかなければならない」としながらも、「うちが譲っているのはフルリモートだけで、朝9時から6時まで勤務や、副業禁止、“どんどん出世してください”というところはがっちりやっている。全部が緩いわけではなく、その会社で妥協できるポイントがある」とした。(『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部