高齢者に増える「コロナフレイル」 “筋力・思考力・社会性”に変化を感じたらすぐ対策を。帰省時に気付きたい親の変化
思い切った「片付け」はやめて!
一方、気を付けたい行動もある。 たまに帰省すると「実家を思い切って片付けよう」と考えがちだが、高齢者にとっては大切な思い出を一気に捨てられた寂しさから、認知症を発症するリスクがあるという。 「最近のブームもあってか、子どもが実家を一気に片付けることがあるようです。しかし一度にごっそり捨てると心にぽっかり穴が開いてしまい、喪失感から認知症になってしまうことがあります。 認知症の治療では、懐かしい物を見て当時の記憶を思い出させる方法もあるので、モノを減らしたい場合は、少しずつ捨てたり『これ買い換えようよ』と促して、身の回りのものをコンパクトにしていき、思い出の物はなるべく残してあげてください。 また、家具などの配置換えをする際は、その人の使いやすさを尊重してください。家の中の動線は『慣れ』があるので、他人から見ると不便でもその人には良い場合があります。どう動いているかを観察するのが大切です」 コロナにより加速した「個の尊重」。 しかし高齢者にとって行き過ぎた「ひとり時間」は、孤立や社会性の欠落を招き、認知機能の低下につながる危険性がある。 帰省した際は、親の様子を観察し、出来ていないことを指摘するのではなく「把握する」に留め、今後の過ごし方を一緒に考えてみてはいかがだろうか。
プライムオンライン特集班