春の営農再開へ支援拠点 11月末、穴水町に設置 作付け指導や融資にワンストップで対応
●知事会見 能登半島地震と奥能登豪雨で被災した農家が来年春に営農を再開できるよう、県は今月末、穴水町に支援拠点を設ける。県のほか、国、JAの職員が常駐し、農地の復旧や作付け指導、融資の相談などにワンストップで応じる。21日の会見で拠点開設を表明した馳浩知事は「生産者は何をどうすればよいか分からず困っている。復旧復興の加速化、見える化が必要だ」と語った。 拠点は「奥能登営農復旧・復興センター」の名称で、穴水町のJAのと本店に置く。現在の「現地相談窓口」の機能を拡充する形で、国、県、市町、JAの職員ら10人程度が農家のサポートに当たる。 これまでは被災した機械の再取得支援や融資の相談対応が中心だったが、開設後は農地復旧や耕作者確保の調整、営農再開に向けた作付け指導なども行う。 地震と豪雨では、農地の冠水が約950ヘクタールで発生し、このうち土砂や流木の堆積が約400ヘクタールに及んだ。 馳知事は、被災農家から「関係機関が一体となったワンストップの支援組織があれば復旧に向けて心強い」との声があったと説明。被災農家に対し、農地復旧の見通しを示すとともに、来年度の営農再開支援などハード・ソフト両面での支援を進めると強調した。 ●除雪器具の購入補助 小型機やスコップ、復興基金を活用 会見で馳知事は、本格的な降雪シーズンに向け、復興基金を用いて小型除雪機の購入・リース、スコップやシャベルの購入費用を補助すると説明した。今年は平年並みか平年を上回る降雪量が予想されており、住民が雪かきの道具をそろえやすいようにする。 被災した高齢者や障害者らが被災地の仕事を請け負う「能登復興推進隊」にも除雪作業のサポートを依頼する。市町や社会福祉協議会が仮設住宅や公共施設の除雪を推進隊に依頼し、参加してもらう流れとなる。経費は復興基金で賄う。馳知事は「市町と連携し、仮設住宅の除雪対策に取り組む」と話した。 このほか、県がネット上で公開している「石川みち情報ネット」に、新たにリアルタイムで除雪情報を表示する機能を導入する。