楽天・星野監督が辞任説を完全否定? 秋は「地獄のキャンプ」
■星野監督「体調は順調に回復」 楽天の星野仙一監督(67)の進退について、続投、或いは体調不安による辞任説などの報道が相次いでいるが、「今秋は倉敷で地獄のキャンプを張る。体調は順調に回復しつつある」と関係者に伝え、辞任説を完全否定していることが9日までに明らかになった。 ■現時点で球団サイドは続投方針 星野監督は、球団創立初の日本一を手にした昨秋、新たに3年契約を結び直した。立花陽三球団社長も「長期契約を結んでいて、その契約通りに進んでいる。(三木谷オーナーから)契約変更の話もない」と続投の方針であることを断言した。過去に楽天は、契約を途中で破棄した例もあり、監督人事権を持つ三木谷浩史オーナーが最終的にどういう判断を下すかは流動的ではあるが、現段階で球団サイドは続投の方針のようだ。 ただ最下位という不甲斐ない成績に加えて、6月に腰椎椎間板ヘルニアと、難病である「胸椎黄色靱帯骨化症」を患って緊急手術。約2か月間も休養したことから星野監督自身が体調に関しての不安を残しているとされていた。 ■責任感の強さゆえの“辞任説”も体調は順調に回復 星野監督は、人一倍責任感の強い人物だけに体調不安を理由に電撃辞任する可能性が関係者の間で噂されていた。その不安視されている体調面については、手術後に順調に回復していて、毎日、リハビリを兼ねた1時間のウォーキングを欠かさない。これまでは腰が痛くて座って足を組むことさえできなかったが、現在では、足を組むことにも支障がなくなってきている。 チーム成績は、田中将大のメジャー移籍や、新外国人、ユーキリスらの不振などが響き、日本一から最下位へと転落することになったが、星野監督は、若手を鍛え直してのチーム再建こそが責任だと考えている。特に8日も、4回まで好投しながら制球難で崩れたルーキーの松井裕樹らの若手投手陣の整備が一番の課題だと位置づけている。野手でも2009年ドラフト2位の5年目、西田哲朗(関大一)がショートに定着するなど頭角を現してきたが、チームの将来を見据えた世代交代を推し進めたい意向で、この秋には岡山・倉敷で伸び悩んでいる「若手育成」をテーマとした中身の濃い長期キャンプを張るプランを練っている。 ■楽天最長の5年目 チーム再建に乗り出す CS出場圏内からも遠く離れてしまったが、星野監督は、「終盤戦は来季につながる戦いをしていかねばならない」とも周囲の関係者には漏らしているという。監督として5年目のシーズンに突入となると楽天では最長任期。“日本一監督”は責任感を胸に天国から一転、ドン底にまで落ちたチームの再建に乗り出すつもりだ。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)