海外メディアはジャンプ”2冠”を逃すも小林陵侑の銀メダルを賞賛「欧州覇権を脅かす」「北京五輪で輝いているスターの1人」
そして2本目に140mのジャンプで小林を越えてきたリンビクについて「最後の勝利のジャンプはドンピシャのタイミングで踏み切った堂々としたものだった。彼は、(小林が)この距離を追い抜くのは難しいと確信したかのように拳を上げ声を上げた。それは、小林が1本目にドンピシャのタイミングで最も優れたジャンプを見せた時と同じようだった」と振り返った。 同紙は銀メダルとなったが、ジャンプ王国の欧州勢に堂々と対抗した小林を「銀メダルを獲得した、明らかに素晴らしい五輪選手として、50年前の1972年の札幌五輪で地元のスーパーマンとして笠谷幸生がノーマルヒルで勝って以来、欧州選手が中心となり他に国の選手の活躍を許さない、この競技へと乗り込んできた日本人選手の新たな象徴となった」と称賛。 日本が男女で過去に14のメダルを獲得してきたこと、欧州勢が159メダルのうち143メダルを獲得し、過去の五輪でノーマルヒル、ラージヒルの2冠を達成したのも、マッチ・ニッカネン(フィンランド)、シモン・アマン(スイス)、カミル・ストッフ(ポーランド)の3人で、いずれも欧州勢であることを紹介した。 その上で「小林は2つの金メダルを勝ち取ることはできなかったが、(その偉業に)本当に近づいてみせた」と、銀メダルの価値を高く評価した。 英スポーツサイトのスポーツビートは、「元DJのリンビクが北京で五輪の歴史を作るため、とてつもなく陽気で楽しい曲をかけながら飛んだ」との見出しを取り、「23歳(のリンビク)が銀から金メダルへと順位を上げることになった140mの大ジャンプで優勝候補だった小林を退けた。日本選手(の小林)は1回目で142mを飛び、リンビクが浮上してくるまでノーマルヒル、ラージヒルの2冠達成へ予定通りに進んでいた」と、ラージヒルの結果を伝えた。2冠はソチ五輪でストッフが達成して以来の快挙となるところだった。 同メディアは、優勝したリンビクの「小林の2回目のジャンプを見なければならなかったことには、とても緊張した。彼が1本目にトップに立ったときは強いということがわかっていた。それに立ち向かわねばならなかった」というコメントを紹介。 その上で、「リンビクがこの日のキングになったが、ノーマルヒルで金メダルを獲得した小林は、依然としてジャンプ界のクラウンプリンス(皇太子)のままだ。この“エアーニッポン”は今季の名誉あるフォーヒルズトーナメント(ジャンプ週間)の4大会(W杯)のうち3大会で勝ち、2020年には史上3人目となる4戦全勝を果たした」と、小林の活躍ぶりを称えた。 また「小林はレッドブルのスポンサードを受け、彼と同国の平野歩夢がハーフパイプのトリックで新たな顔となったスノーボードから、スキージャンプの文化が学びを得ることを望んでいる」とも紹介している。世界が注目している小林は、14日の男子団体で、2つ目の金メダルを狙うことになる。