無敵艦隊ドゥカティ、チーム首脳ダッリーニャ「信じるのも難しい数字」と満足。来季加入マルケスに早くも夢中?
MotoGPの2024年シーズンは、ドゥカティが再び支配したシーズンとなった。最強メーカーとなったドゥカティを主導するゼネラルマネージャーのジジ・ダッリーニャとしても、今年の結果は信じられないほどだと語った。 2024年のMotoGPライダーズランキング:トップ4をドゥカティ勢が独占 ドゥカティは2022、2023年とフランチェスコ・バニャイヤがMotoGPを連覇し、サテライトチームのライダーも多数勝利を挙げるなど、ここ最近のMotoGPを支配してきた。 そして2024年シーズンは、その支配がさらに強まった1年だった。全20戦のうち、ドゥカティ陣営が19勝を記録。タイトル争いもバニャイヤとサテライトチームのホルヘ・マルティンによるバトルとなり、最終的にマルティンが勝利。ファクトリーチームのバニャイヤは敗れてしまったが、ドゥカティ陣営としてメーカー、チーム、ライダーの3つのタイトルを獲得した。 ランキングではチャンピオンのマルティンを筆頭に、2位バニャイヤ、3位マルク・マルケス(グレシーニ)、4位エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)と上位を独占。まさにドゥカティによって支配されたシーズンだった。 このドゥカティ無敵艦隊を築き上げる上で重要な役割を果たしてきたゼネラルマネージャーのジジ・ダッリーニャは、先日イタリアで行なわれたドゥカティのイベントで、今シーズンは信じられないほどの結果だと語った。 「数字が全てを物語っていると言う他にないだろう。スポーツの観点からは、素晴らしいシーズンだったし、ライダーがコース上でどう動き、そして微妙な状況にどう対処してきたかという点でも、素晴らしいシーズンだった」 「我々は本当に特別で信じられないほどのことを成し遂げた。その数字は信じるのも苦労するほどだ」 「その中でも2つを取り上げたい。14回……ドゥカティが表彰台を独占した数字だ。私が率いている中で初めてトップ3を独占したとき(2021年バレンシアGP)のことを覚えているが、20戦中14回もそれができたのは、我々の強さを本当に示している」 「特に嬉しかったのは、タイGPのスプリントレースでドゥカティのライダー全8名がトップ8を占めたときのことだ。つまり我々の全てのバイクが、ライバルメーカーに勝ったということだ。信じられないような結果だ。この結果を達成するために力を貸してくれた全ての人に、改めて感謝するしか無い」 そして2025年シーズン、ドゥカティはマルク・マルケスをファクトリーチームに迎え入れる。バニャイヤと合わせ、MotoGPクラスで計8度のタイトルを獲得したコンビというドリームチームとなる。 シーズン最終戦後には初めてこのふたりが同じチームでテストを行なったが、彼らのフィードバックは同じような方向だったとされている。ダッリーニャもその点は役にたつだろうと認めている。 「彼らは共にチャンピオンであり、多くの経験を持っている。そして、結局ライダー達はバイクで感じたことを語るもので、それがかなり似ていた。ペッコ(バニャイヤの愛称)も言っていたが、これは我々の仕事を進める上で役に立つものだ。進むべき道を確認できるからね」 そしてふたりのチャンピオンの類似点や相違について尋ねられたダッリーニャは、次のように答えた。 「ふたりとも偉大なチャンピオンだと思うが、最も似ているのは経験を積んでいて、とても強い、チャンピオンの意志を持っていることだろう。違いという点では、ひとりはブレーキングに少し寄っていて、もうひとりはよりコーナー中盤に強さがある。とはいえ、どちらもチャンピオンシップで勝つためには何が必要なのかを分かっているライダー達だ」 なおダッリーニャはマルク・マルケスのドゥカティファクトリーへの昇格を推したと言われている。そのマルケスがファクトリーで赤いマシンに乗っている姿には、感慨を覚えているようだった。 「自分のバイクに乗っているチャンピオンを見ると、何度でも強い感情を覚えるものだ」と、ダッリーニャは語っていた。 なおMotoGPの次回テストはセパン・インターナショナル・サーキットが舞台で、2月5~7日にかけて行なわれる予定だ。
Matteo Nugnes