【年末年始に行きたい美術展】森美術館『ルイーズ・ブルジョワ展』は元旦も開館
森美術館で開催中の『ルイーズ・ブルジョワ展』。彫刻、インスタレーション、絵画など、彼女はさまざまな表現方法で自身の感情と対峙する。構築的なシルエットやレイヤリングなど、“包まれる”服とともにその唯一無二の世界と一体となる ルイーズ・ブルジョワ展の会場風景
タペストリー修復家だったブルジョワの母。彫刻作品《蜘蛛》(1997年)が表現するのはその母親、そして女性、ブルジョワ自身だ。8本の脚を広げて張りめぐらせた巣を守ろうとする姿に、どこか安らぎをも感じられる。網でできた巣の中には、香水の瓶やテキスタイルなど、ブルジョワが好み慈しんだものが。彫刻をまとうかのようなマックイーンのシアリングコートの包容力が、この作品世界と呼応する INSTALLATION VIEW: LOUISE BOURGEOIS: I HAVE BEEN TO HELL AND BACK. AND LET ME TELL YOU IT WAS WONDERFUL., MORI ART MUSEUM, TOKYO, 2024 © THE EASTON FOUNDATION/LICENSED BY JASPAR, TOKYO, AND VAGA AT ARTISTS RIGHTS SOCIETY (ARS), NEW YORK, 2024 コート¥1,873,080(参考価格)・ブーツ(参考商品)/マックイーン アレキサンダー・マックイーン クライアントサービス TEL.0120-992-297
1970年代にジェンダー不平等への抗議活動を行なっていたブルジョワ。《C.O.Y.O.T.E.》(1947~1949年)は合法的な売春を主張するフェミニストへの賛同を表すために1979年に改題し、元は赤と黒だった色をピンクに塗り直した作品だ。着想源は聖書の一節を描いたピーテル・ブリューゲルの《目の見えない者たちの寓話》。もつれて倒れそうになる人びとの脚を表しているという。ピンクに込められたメッセージは今もなお強い力を放つ 《C.O.Y.O.T.E.》1947-1949 (RETITLED AND PAINTED PINK IN 1979) PAINTED BRONZE AND STAINLESS STEEL 131.8×209.6×28.9cm COLLECTION: THE EASTON FOUNDATION, NEW YORK ニット¥194,700・スカート¥526,900・グローブ¥136,400・靴¥149,600/マルニ マルニ ジャパン クライアントサービス TEL.0120-374-708