自動運転自動車「発車」はいつ? 開発状況と実用化への課題
車が勝手に運転してくれる未来都市のような時代がもうすぐ来る?――― 10月に開催された「ITS国際会議東京2013」では、ホンダとトヨタが自動運転技術を公開しました。ITSとは高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)の略称です。ヒト・道路・自動車をネットワーク化することで交通事情すべてを把握し、ムダのない賢い(スマートな)交通を目指すシステムといえます。国内メーカー各社の開発状況と、実用化ヘ向けた課題などを見てみましょう。
「自動運転」はあくまでドライバーの補助
すでに富士重工は、「ぶつからないクルマ」を発売しています。壁や車にぶつかる前に停まったり、渋滞時には前の車にしたがってゆっくりと発進する「EyeSight(アイサイト)」機能を搭載したシリーズです。つまり、「進む」「停まる」という機能については、すでに実用化がされているわけです。 ■ホンダ ITS国際会議でホンダが発表したのは、クルマの周辺情報をセンサーが捉え、障害物や危険を判断し回避する技術「協調型自動運転技術」と自動的に駐車位置に停まったり、買い物終了時に自動的にクルマが迎えにくる技術「自動バレーパーキング」です。 ■トヨタ 一方、トヨタが発表した自動運転は、無人の自動運転ではなく、あくまで運転手の負担軽減を目指した支援システムといえます。それが「高速道路における高度運転支援システム」です。これは高速道路を走行中に先行車両や道路の白線などの情報を読み取り最適なラインを、最適な車間距離で走行するよう運転支援や運転負荷の軽減を行うというシステムです。トヨタはこの技術を2010年半ばには実用化させるとしています。 ■日産 また、日産自動車は、家電とITの国際展示会「CEATEC JAPAN 2013」で自動運転技術を国内初披露しました。日産の自動運転技術は、複数のセンサーを使い、クルマの周囲の情報を360度をリアルタイムで認識しながら自動で走行するというものです。ほとんどハンドルを握らなくてもクルマが周囲の情報を把握して目的地まで向かってくれるというものだといえるでしょう。日産自動は今年8月28日に2020年までに同社の複数の車種において、自動運転を実用化することを発表しました。