対イラン報復抑制か 中枢施設への攻撃控える イスラエル
【イスタンブール時事】イスラエルは26日、大規模ミサイル攻撃への報復として、4月以来となる対イラン攻撃に踏み切った。 報復の規模などは不明だが、標的を「軍事施設」に限定し、石油や核関連など中枢施設への攻撃は控えたとみられる。「強力な反撃」を宣言しながらも抑制的対応にとどめた可能性もあるが、緊張が収束するかは不透明だ。 イランの国営テレビは、イスラエル軍の主張を字幕で淡々と伝えつつ、首都テヘランの平穏な様子を報じた。首都周辺では防空システムが作動したとみられ、SNSには上空で飛翔(ひしょう)体を迎撃したとされる動画も投稿された。ただ、目立った被害は報じられていない。 イスラエルはかねて、報復が「致命的かつ正確で、何がどうやって起きたのか分からない驚くべき内容となる」(ガラント国防相)と警告してきた。軍は声明で「任務を達成した」と強調したが、攻撃による影響は見通せない。 イスラエルがパレスチナ自治区ガザやレバノンで軍事的攻勢を強める中、イランの出方は中東の混迷を左右する。精鋭軍事組織「革命防衛隊」のサラミ司令官は24日、「好きなだけ攻撃すればいい。われわれはそれを上回る反撃を加える」とイスラエルをけん制しており、再反撃を加える可能性も排除できない。