初心者にもおすすめのハイキングスポット5選 必要な道具や服装も紹介
ここ何年も中高年のハイキングがブームになっています。山登りは昔からあるレジャーですが、なぜいまそれほどのブームになっているのでしょう。いろいろな理由がありますが、一つにはハイキングが運動不足の中高年の世代にとって理想的な体の動かし方だからという理由があります。 この記事では、なぜハイキングが体によいか、どんな準備が必要かなど、これからハイキングを始めてみようと思う人に心得ておいたほうがよい知識を解説します。
1.ハイキングが人気の理由
「登山」は、登頂を目的とするスポーツ。技術や体力、経験、そしてしっかりした装備が必要です。一方、「ハイキング」は山を楽しむレジャーです。最低限の装備があれば大丈夫。もちろん自然が相手なので基本的な知識と心構えは求められますが、経験や体力に合わせて、いつまでも楽しめるのがハイキングの魅力です。 (1)健康や体力の維持増進 日常生活で運動不足を感じている人は多いでしょう。毎日散歩したり、スポーツクラブに入会したりしてなんとか持続的に体を動かす努力をしても、なかなか続かないのが現実です。 続かない理由の一つは、いつも同じ風景だったり、同じジムだったりして、刺激が少ないこと。また、運動には適度な負荷が必要ですが、自分だけでは適切な強度がなかなかわかりません。 ハイキングの動きである「歩く」という運動は散歩と同じですが、舗装された道路を歩くのとは異なり、山には平地とは異なる大きな標高差があります。不整地を歩くときには、無意識のうちに体のバランスを維持する運動をしています。たとえば、上りは体重を持ち上げる運動になり、下りでは重力が加わり体重以上の重さを支える必要があるのです。 このように、山を歩くと、散歩とは比較にならない負荷が体にかかります。とはいえ、それをあまり意識することなく楽しめるのがハイキングのよさです。 (2)長時間歩行(有酸素運動)による脂肪燃焼 ハイキングはよい運動ですが、「どのように歩くか」を考えないと、初心者にとって、かえって害が生じることがあります。意識したいのは「ゆっくり歩くこと」です。 ゆっくり歩くことで、長時間歩行(有酸素運動)によって脂肪が燃焼します。また、歩みの一歩一歩が確かになるので、ケガをしにくくなったり、周りの景色を眺める余裕が出てきたりします。おしゃべりをしながら歩いても苦しくないくらいの、ゆっくりしたスピードで歩くのがちょうどよいのです。 肩で息をするくらい呼吸が荒くならないと運動した気にならない人もいますが、前述の上り下りの運動負荷は呼吸とは関係ありません。 むしろ、心拍数が上がり呼吸が荒くなると無酸素運動になってしまい、有酸素運動としての効果が低減します。また、必要以上に汗をかくと、体内の浸透圧バランスが崩れ、体への負担が大きくなります。 さらに、呼吸が荒くなると、状況判断がおろそかになってケガをする可能性が高くなります。精神的な余裕もなくなり、せっかく山に来たのに周りの風景を楽しめないかもしれません。 「苦しい」と感じないようにすることも、長い距離を歩くコツの一つです。 (3)リラックス&リフレッシュ効果 ハイキングは体だけでなく、心の健康にも効果的です。標高があまり高くない山は、ほとんどが森に覆われています。木々の間を歩くと気分がよくなるのは、植物から放出されるフィトンチッドという化学物質によるもの。森林浴が体によいことは、科学的にも証明されています。 また、自然の中を歩く解放感や心の安らぎはいうまでもなく、日常とは違った風景を眺めることは脳にとってよい刺激となります。そのほか、屋外で食事をする、きれいな風景を写真に撮る、季節の花や緑、秋の紅葉など自然を愛でる……。そうした行為は、すべて精神によい影響を及ぼします。 運動不足の解消だけでなく、ストレスの軽減、精神的な疲れの解消などにも、ハイキングはとても有効です。