国語の得意な子がやっている意外な読書法とは? 本にアートを掛け合わせ、読書を3倍楽しくする
読み聞かせをしようとしても、子どもが本に興味を示さない。読んでいても、途中ですぐに飽きてしまう……。子どもが本を好きになるためには、「ある能力」が必要だと語るのは、本とアートを掛け合わせた独自の手法で子どもの知的好奇心を引き出す『10歳からの考える力を伸ばす 名画で学ぶ作文ドリル』を上梓した久松由理氏。子どもの読書嫌いを改善するために必要なことと、文章の読解力を伸ばすために保護者ができることについて聞きました。 【この記事の他の画像を見る】
■本好きな子には「ある能力」が備わっている 同じ家庭で育っても、本をよく読むお姉ちゃんとまったく本に興味がない弟くん。いったいどうしたら、本を読むようになってくれるのか? と我が子の読書嫌いに悩める保護者の方は案外多いものです。 じつは、本好きな子には、本嫌いの子にはない、読書が楽しくてたまらなくなる「ある能力」が備わっているのです。そこを理解しないままで、ただただ本を買い与えて読むことを無理強いしても、お子さんの読書嫌いはまったく改善しないでしょう。
「読書を楽しくする能力」、それはズバリ、文字で書かれた文章を頭の中で映像化できる能力です。読書が好きな子どもたちは、文章を読むとそれが即座に頭の中で映像に転換され、まるで映画館に座っているような気分で本を読み進めることができます。映像で見たことは忘れにくいので内容をよく覚えていられますし、事件が目の前でリアルに展開しますから、登場人物の心情も手に取るように理解できるのです。 一方、読書が嫌いな子どもたちは、文章を記号の羅列のように読んでいるだけなので、一度読んだだけでは意味内容がきちんとわかりません。たとえぼんやり理解できたとしても、誤解だらけの解釈であったり、内容をすぐに忘れてしまうので、次の日に本を開いて続きを読もうとすると、もうストーリーがつながらないということになったりするのです。
2次元の文章を3次元に立ち上げる読解力があるかどうかは、読解テストをしなくても、A地点からB地点までの道のりを言葉で説明させてみる、あるいは4コマ漫画を見せて、そのストーリーを語らせてみるなどすると、すぐにわかります。 映像化・立体化の苦手な子は、道順がうまく説明できませんし、漫画のオチを読み取ることも難しいのです。頭の中で絵を動かせないため、静止した絵だけを見ても何が起きているのかさっぱり理解できない、というわけです。