国語の得意な子がやっている意外な読書法とは? 本にアートを掛け合わせ、読書を3倍楽しくする
■トレーニングで育つ「2次元を3次元に転換する能力」 では、絵や文章を映像化できない子は、もうずっとそのままなのか? というとそうでもありません。根気強くトレーニングをすれば、2次元を3次元に転換する能力は徐々に育ってきますから、諦めずに取り組んであげるといいでしょう。 いきなり読書を楽しませようとしても無理があるので、まずはあらゆる単語や状況がイメージできるようにしてあげるところから始めましょう。読書嫌いの子はたいてい語彙力と一般常識力が不足しています。文章の中に出てくる言葉や事象を知らず、イメージできないから映像化ができないのです。なので、さまざまなものを実際に見せ、体験させながらものの名前や一般常識をどんどん教えてあげるといいのです。
私は「幕の内弁当」という言葉を教えるために、娘を歌舞伎座に連れていき、幕間で実際にお弁当を食べさせながら「幕の内弁当」の由来を語って聞かせました。また、「干潮、満潮」という現象を理解させるため、大潮の日に潮干狩りに連れていったこともあります。 いちいちそんな面倒なことをしなくても口で言えばわかるだろうと思われるでしょうけれど、口頭で説明するだけ、辞書で引かせるだけの知識は、体験ほど強烈な記憶として子どもの中に残ってはくれませんし、言葉そのものに興味を持つきっかけになりません。国語を好きにさせるには、とにかく小さい頃に「言葉を覚えるのって楽しい!」とお子さんに思ってもらう必要があるのです。
そうしてたくさんの言葉を体験と同時にインプットしつつ、毎日行っていただきたいのは大量の絵本の「読み聞かせ」です。一番効果的なのは、お子さんを膝に乗せたり、並んで座るなどして、絵本の文字と絵を見せながら読み聞かせることです。絵本だけでなく、紙芝居を見せたりするのも良いですし、忙しくて時間がない日は、すでに読んだことのある物語が映画化された作品を鑑賞させるのも、文章の映像化力を養うでしょう。 ■本とアートを掛け合わせて、読書を何倍も楽しむ