ムバッペの抜けたリーグ・アンは今でも魅力的なのか スーパースター流出でリーグの勢力図が変わる可能性
昨季までとは異なるリーグ環境に
今季の仏リーグ・アンで何より注目すべきは、絶対的エースだったFWキリアン・ムバッペが退団したパリ・サンジェルマンだ。 ここ10年ほどのPSGは豪華スター選手を軸にリーグを支配してきたが、今季は様相が異なる。今夏もベンフィカから19歳MFジョアン・ネヴェス、フランクフルトからDFウィリアン・パチョらを獲得するなど、補強には動いている。今夏のパリ五輪で大活躍だったレンヌFWデジレ・ドゥエの獲得にも近づいているようで、全くお金を使っていないというわけではない。ただ、ムバッペの穴を埋められるような強力アタッカーとは契約できていない。 ゴンサロ・ラモスやウスマン・デンベレ、マルコ・アセンシオ、ランダル・コロ・ムアニなどリーグ・アンを制するだけの火力はあるように思えるが、昨季チームの約30%にあたる得点数を稼いできたムバッペ退団の影響はかなり大きいはず。このことから、英『The Guardian』は今季のリーグ・アンが荒れるかもしれないと注目している。 リーグ最大のスターであるムバッペが去ったことで、リーグ・アンへの関心を失ってしまったサッカーファンもいるかもしれない。しかし、面白い要素は他にもある。 注目すべきチームの1つは、ブライトンを指揮してきたロベルト・デ・ゼルビを引き抜いたマルセイユだ。ブライトンで超アグレッシブな攻撃的サッカーを展開してきたデ・ゼルビに加え、マルセイユはRCランスからFWエリー・ワヒ、マンチェスター・ユナイテッドからFWメイソン・グリーンウッドを獲得。さらにトッテナムからMFピエール・エミール・ホイビュルク、インテルからMFバレンティン・カルボーニをレンタルで加えるなど、市場で積極的な動きを見せている。 他には、戦力の多くが残っているモナコも面白い。ベテランFWウィサム・ベン・イェデルはチームを離れたが、他の主要メンバーは残っている。昨季も2位に入っているだけに、ムバッペが抜けたPSGであれば互角に渡り合えるかもしれない。 日本のサッカーファンとしては、伊東純也、中村敬斗が所属するスタッド・ランスも注目だ。今季より42歳のルカ・エルスネルが指揮官に就任しており、同指揮官は2022-23シーズンにル・アーヴルをリーグ・アン昇格へ導き、昨季もチームを何とか1部残留へ導いた注目の人物だ。 同メディアは今季のリーグ・アンにも面白いポイントは多いと取り上げているが、ムバッペの抜けたリーグ勢力図はどう変わるか。
構成/ザ・ワールド編集部