「お惣菜を出すのは心苦しい」主婦が始めたおかず作り代行サービス 廃業寸前を乗り越えた今、今後の展望に迫る
常連客たちの声を力に
佐竹さんは、おかずを買ってくれたお客さんにお礼のメッセージを欠かさず送っています。そのメッセージに対しておかずを購入したお客さんからも、チャットしているような感覚で感想やお礼が寄せられ、生の声を聞く良い機会になっていると佐竹さんは話します。 廃業することをInstagramで報告したときも「名残惜しい」という声や「真空パックだけでも残せないだろうか」というお客さんの声が続出。ダイレクトに届くお客さんたちからの声に「これはやめられない」と感じた佐竹さんは営業のスタイルを変更し、サービスを継続する決意をします。
形を変えて現在のサービスに
現在ocome+DELIでは佐竹さんを含む2名の主婦が、誰もがおいしいと思える、味にこだわったおかずを冷凍真空パックにして届けています。随時注文を受け付けていて、在庫があればすぐに配送できる状態です。 冷凍真空パックになったおかずの中には、お客さんからの声を参考につくられた新メニューなど利用する人の気持ちに寄り添ったサービスとして成長し続けています。 おかずを購入するのは常連さんが8割と多くを占めていますが、2024年以降、全国配送の準備が整い、少しずつ新規のお客さんも増えているということです。
これからのocome+DELI
コロナ禍以降、お客さんに対面でおかずを届ける機会が増えた佐竹さん。 「買いたかったのに売り切れだった」「買いそびれてしまった」という声を度々聞きました。サービスの認知度が上がるにつれてメニューを告知した翌日に完売してしまうこともあるのです。そんなとき「冷凍庫に常備しておけるおかずがあったら主婦たちの助けになるのでは」と、温かいおかずから冷凍真空パックのおかずへと形を変えました。 それに伴って人手不足の問題も解決し、佐竹さんの「おかず代行サービス」は今日もたくさんの主婦・主夫を笑顔にしています。 「もっとサービスを大きくしないか」という話もあったそうですが、1対1でスタッフと密に連携をとり、話し合える今の体制に満足していると佐竹さんは話します。「お客さんとやりとりしながら提供できるこの関係が好きなので、これから先、1人でも多くの方に知ってもらってサービスを届けていきたい」そう語ってくれました。 佐竹さん自身もサラリーマン時代に経験した主婦・主夫ならではの夕ご飯問題。「誰か作って~」「帰ったらおいしいご飯ができていたらいいのに」そう何度も思ったのだそうです。 手作りのおいしいおかずの1品として出せたら、空いたその時間を自分のため、子どものために使えたら…。そんな主婦・主夫のニーズにぴったり寄り添うocome+DERIのおかず代行サービス。 「私たちの作ったおかずが、いつでも、どこかでがんばる主婦・主夫のそばにいる。そんな存在になりたい」と話す佐竹さんたちのサービスは、配達の範囲を全国に拡大。 2024年1月から、ocome+DERIの商品が全国通販で購入可能になりました。そして、もともと行っていた温かいおかず販売も限定20食から35食限定に増やし、月に1回販売しているとのことです。 人と人とのつながりを大切にし、主婦・主夫たちの思いに添ってサービスを続ける佐竹さん。そのあたたかい気持ちが、おいしいおかずとともに全国へ運ばれ、多くの家庭を幸せにしてくれることでしょう。
ほ・とせなNEWS編集部