「ミドルエイジ」が歳を重ねることやキャリアに不安を感じたら モヤモヤした日常の“からまり”どうほぐすか
これまでとは違う成長が待っている。このことに気がつかないと停滞し、頑固になったり、自分の人生を悲観してしまったりするらしい。 ■「得る」から「渡す」へ なるほどなあ、である。思考の新陳代謝。新しい環境や時代に頑張って適応しなくてもいい。もっとも簡単な方法は、自分の行動スタンスを変えること。得るから〝渡す〟へ視点と意識を変えてみる。 適応するために何かをプラスオンしなくちゃ(知識、スキル、人づき合いなど)ではなく、自分が他人に渡せるもの(知識、時間、人の縁)を整理し、少しずつ渡していく。
例えば、PTAや町内会など、近年嫌がられる活動を、あえて引き受ける。ずっとやっている役職を譲る。「私が!」ではなく、若年層や周りを主役にするお手伝いをする。 『親切は脳に効く』(サンマーク出版)という本によれば、親切な行動=利他行動(自分でコストを払って他者の利益を優先する)は、脳に良い影響があるという。 他者のために何かをすると、脳から、俗に幸せホルモンと呼ばれる、ドーパミンやセロトニン、オキシトシンが分泌される。これらのホルモンは、心臓や血管を守り、気分を安定させ、老化を遅らせると言われている。
注射して打ちたい! という人が多そうだが、人に親切にするだけで勝手に自分の脳から出てくれるわけだから、コストゼロだ。お得なアンチエイジグ。 また、人に親切にすると、ありがとう、助かりました、とお礼の言葉が返ってくることが多い(そのためにやっているわけではないですよ)。これもまた、人の脳は、他者から良い評価を受けると、脳の報酬系が刺激され喜びを感じる。 他者に渡しているつもりで、私たちは、大きな返礼品を受け取ることになる。渡しているつもりでいて実はもらっているのだ。これは百貨店でも売ってない。
歳を重ねることを不安に感じたら、思考の切り替えが必要なサインなのだと思う。得るから〝渡す〟へのスイッチをオンにするのだ。渡すことが、私を変化させていく。私は、変化していく自分が好きだ。変化する、昨日より少し違う私に出会う。 「明日はもっと楽しいよ」の言葉の意味は、明日楽しい出来事が起きるとか、誰かが私を楽しませてくれるよ、という意味ではない。明日は、昨日より少し変化した(子どもの場合は成長かも)自分に会えるから「楽しいよ」なのだ。