竹下佳江氏が語る 「数字に出ないプレー」の重要性 「バレーはつないで成り立っている」
バレーボール・SVリーグ女子の最初のシーズンに臨んでいるヴィクトリーナ姫路。44試合という長丁場のレギュラーシーズンで、最初の10試合を終えて、7勝3敗、勝率0.70で、14チーム中5位(※11月17日現在)と上位戦線に食い込んでいます。昨シーズンはVリーグ2部(V2女子)で完全優勝したとはいえ、実績豊富なチームもそろうなか、首位の埼玉上尾メディックス(8勝2敗、勝率0.80)との差もわずかということもあり、健闘していると言えるでしょう。 【写真】ヴィクトリーナ姫路、今シーズンのユニフォーム その序盤戦で印象に残った試合について、元日本女子代表の竹下佳江氏(現、ヴィクトリーナ姫路エグゼクティブアドバイザー)が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で振り返りました。 ヴィクトリーナが、1つの大きな壁を突破したのは、11月9日と10日に行われた第5節のデンソーエアリービーズ戦でした。当時、開幕8連勝を飾っていたデンソーに、9日のGAME1こそセットカウント1-3と敗れましたが、10日のGAME2ではフルセットにもつれる大接戦を制して、敵地で価値ある白星を獲得しました。 この第5節では、アタックで日本女子代表の井上愛里沙選手が27得点、チャッチュオン・モクシー選手が21得点と、決めるべき人が数字を残しました。それだけでなく、竹下氏は「数字に見えないプレー」の重要性や、「見えないミス」を少なくすることの大事さについても、次のように力説しています。 ――ヴィクトリーナのデンソー戦は、数字には出ない部分でも、各々の選手の力強い一面が見れた試合でした。 【竹下氏】 そうですね。会場の盛り上がりもですが、この数字に出ない部分のプレーというのは、とても大切。アタック率など数字で出さないといけないところもありますが、この見えにくい部分というのかな……これは監督も絶対にしっかりと見ているかなと。縁の下の力持ちがいてこそ(の勝利であり)、バレーはつないで成り立っているので。 ――ファンにも、そういった細かいプレーを含めて見て欲しい? 【竹下氏】 本当にそう思いますね。でもコアなファンは、たぶん見ている気がしますが(笑)。私が解説に入っているときは、けっこうそういう細かいところも厳しく指摘するんですよ。でも、その細かい所を注意していかないと、チームは崩れちゃうんですよね。そういった意味では、今回の試合の森田(茉莉)選手(リベロ)のプレーって、とてもチームを鼓舞していたと思います。 ――「見えないミス」という言葉を時に聞きますが、どういった意味なのでしょうか? 【竹下氏】 得点に現れていないけれど、ミスしている部分のことです。たとえば、セッターにちゃんとボールが返っているように見えるけれど、よく見ると返っていない……とかはどのチームも実はよくある感じがしますね。プロでも「なんでそんなパスを返したん?」みたいなことがありますよ(笑)。 ――「見えないミス」が少ないほど、やはりチームは強いものですか? 【竹下氏】 もちろん。確実なことを確実にこなしているチームの方が強いです。最終的に勝ってきているなと感じますね。今回の試合ではないですが、最初の埼玉上尾メディックスの試合(※SVリーグ女子オープニングゲームとなった、NECレッドロケッツ川崎vs.埼玉上尾メディックス戦、埼玉上尾が3-0で勝利)は、本当に彼女たちがチームとして仕上げてきたな……と感心しました。こういったチームが増えて、強さにつながっていくといいですよね。ヴィクトリーナ姫路も負けていられないですね。 ※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』より
ラジオ関西