「アニコムHD」に上放れ機会到来、ペット保険最大手の株価3ケタ銘柄 自社株買いの発表期待がインパクトに
【凄腕アナリスト ザ・覆面】 決算発表シーズンが終了し、4月の米消費者物価指数(CPI)の発表を通過したNYダウ、ナスダック総合指数、S&P500の米主要3指数はそろって最高値を更新してきた。日経平均も戻りを試す展開に入っているが、物色人気は個別株の選別物色が強まってくることになる。 3月期決算発表を経て、東証プライムの「アニコム ホールディングス」(8715)の株価上放れ期待が膨らんでいる。同社はアニコム損害保険を中核企業に持つペット保険の国内最大手企業。家庭のペットが病気やケガによって診療を受けたとき、支払った診療費の一部を補償する保険商品の販売・引き受けを行っている。 同社がシステム化した「どうぶつ健康保険証」は、会計時に提示することで支払保険金相当分を差し引いた金額のみを支払う「窓口精算システム」となっている。5月には、東京海上日動火災保険と共同で6月からペット保険を販売することを発表。朝日生命、明治安田生命、フコク生命、ソニー損保と国内生損保とはすでに販売提携が進展しており、販売窓口の拡大が注目されてくる。 ペット保険以外では、動物病院支援事業、保険代理店事業、動物医療分野における研究・臨床事業、ベンチャー・キャピタル事業などに事業領域を広げている。 前期の6・9%増収、12・9%経常増益に続き、今2025年3月期連結業績予想は売上高660億円(前期比9・2%増)、経常利益48億円(同15・4%増)、当期利益31億円(同13・6%増)と前期を上回る変化率を見込む。期末一括の年間配当は前期比2円50銭増の8円を計画している。 ペット保険の新規契約数は昨年10~12月が5万8000件、今年1~3月が5万7400件と順調に増加し、価格改定効果も通年寄与する。 さらに、会社側は資本政策に関して今3月期中に約30億円規模の自己株式取得の設定(自社株買い)を予定し、5月下旬をめどに決議予定と、決算説明会で明らかにしたとされている。時価総額480億円弱の同社にとって30億円規模の自社株買いの規模は大きく、発表を契機に株価は見直しを強めてくることが期待される。 決算発表と決算説明会を受けて、国内大手証券では14日付のリポートで投資判断を「2」から最上位の「1」(買い)に引き上げ、目標株価を750円から850円に引き上げた。