不動産価格上昇中!とくに注目される不動産銘柄を5つ厳選…強みはズバリ●●に土地・建物を持っていること
人口減少が続く日本だが、都市部では不動産価格の上昇が継続中だ。その中で不動産を持つ企業にも注目が集まっている。都心部などに低い価格で土地を持つ企業は、土地を時価評価すると莫大な含み益を持つ可能性がある。主に都心部に土地やビルなどの不動産を持ち、不動産価格の上昇とともに株価上昇の可能性がある銘柄を取り上げた。みんかぶプレミアム特集「2025年最強銘柄84」第8回「不動産」ーー。
コロナ禍明け後、上昇が続く不動産価格
コロナ禍で一時的な不動産価格の下落はありましたが、大都市圏を中心にコロナ禍前から不動産価格の上昇が続いています。コロナ禍明けに加えて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻もあり、世界的なインフレが進むと、国内大都市圏の不動産価格は再度上昇が進みました。 日本は既に人口減少社会入りしており、地方では空き家問題が発生するなど不動産価格の上昇要因に乏しい状態です。しかし東京を中心に、都市部では今も不動産価格の上昇が続いています。
都市部で不動産を保有する企業に注目が集まりやすい状態に
低コストで土地を保有する企業について、土地を時価評価した時のPBRと現在のPBRを比較して割安銘柄に投資する方法は古くからあります。デフレ時代は不動産価格の下落が続いたため、本投資手法は、安値圏で株価が動かない、という低PBR銘柄特有の値動きに苦しめられることも多くありありました。 しかしインフレ時代に入り、本投資方法が改めて注目されています。インフレが古くからある投資手法に魂を入れた形です。
都市部で不動産を持つ銘柄5選
国内上場企業で都市部に不動産を持つ銘柄としては以下があげられます。 ・三菱地所(8802) ・三井不動産(8801) ・サッポロホールディングス(2501) ・東急不動産ホールディングス(3289) ・阪急阪神ホールディングス(9042) それぞれ解説します。 三菱地所(8802) 首都圏に広大な土地を持つ企業の代表としては三菱地所があげられます。明治時代に取得した東京丸の内の不動産を非常に低い簿価で評価している同社は、莫大な不動産の含み益を持つ企業として知られる存在です。以前から不動産の簿価と時価評価の差額を狙う投資家のターゲットとなっていた銘柄ですが、インフレとなり、本投資戦略で本格的に成果が出る可能性があります。 三井不動産(8801) 三菱地所が丸の内の大家さんなら、三井不動産は日本橋の大家さんです。三菱地所と三井不動産は国内を代表する、首都圏に広大な不動産を持ち莫大な含み益を持つ企業として知られています。三井不動産も、不動産の含み益に着目した投資で今後本格的に成果を上げられる可能性があります。 サッポロホールディングス(2501) ビール会社のサッポロビールを傘下に持つサッポロHDは、旧ビール工場跡地の恵比寿に広大な土地を持ち、工場跡地である恵比寿ガーデンプレイスの運営で知られています。デフレ時代から恵比寿ガーデンプレイスの価値は有名で、インフレ時代となり改めて同社の持つ恵比寿の不動産に注目が集まる可能性があります。 東急不動産ホールディングス(3289) 渋谷の大家さんこと、東急グループの不動産部門の上場企業が同社です。渋谷は若者の街からビジネスの街に変貌を遂げています。ビジネス街として渋谷は今後も人が集まることが予想され、渋谷の不動産価格の上昇とともに、渋谷の大家さんたる同社への注目が集まる可能性があります。 阪急阪神ホールディングス(9042) 鉄道会社のイメージの強い同社グループですが、収益としては鉄道・不動産・エンタメ(宝塚歌劇団・阪神タイガース)が3本柱であり、不動産事業は収益の柱の1つです。大阪梅田の大家さんとしての一面もある同社は、大阪を代表する不動産会社として注目を集める可能性もあります。
石井僚一