待望の紅葉シーズンなのに観光客が戻らず…落石で通行止めの遊歩道を急ピッチで開通させたものの苦境続く
遊歩道を歩いた観光客は「怖かった。落ちた石がまだそのままだったので、『気をつけようね』と言いながら歩いた」「落石があった時にどうやって彼女を守るか考えていた」と、落石現場近くを通った感想を話す。
情報発信力が不足?
また、寸又峡の地で60年の間、温泉宿を営んできた望月孝之さんは発信力不足を指摘する。 翠紅苑・望月孝之 会長: 「落石があって危険」という感覚があると思う。全国紙で「夢のつり橋は落石で通れない。これから先、気をつけて情報(収集)を」という記事が結構出たので、つり橋に行けることをまだ知らないお客さんも大勢いる
SUP事故や鉄道一部不通も影響か
さらに、2022年9月の台風被害以来、大井川鉄道の一部区間で運休が続いていること、2024年10月には周辺の接岨湖でボードの上に立ってパドルを漕いで進むSUPをしていた50代の夫婦が溺れて死亡し、湖の利用に制限がかけられていることも川根本町の観光に暗い影を落としている。
翠紅苑・望月会長は「我々が生まれ育った土地。この土地が段々さびれてくると非常に寂しくなる。一生懸命、土地が長持ちするように、存続するように頑張っていきたい」と話す。 とはいえ自然災害は抗うことができず、どれだけ万全な体制を整えても突発的な事故をゼロにすることは極めて難しい。 手をこまねいているだけでは同じことが繰り返されてしまう。
「川根本町の良さを伝えたい」
このため、災害に強いまちづくりを進めていくことはもちろんだが、同時に町や観光協会には新たな観光誘客の策を打ち出していくことも求められている。 観光協会の戸塚事務局長は「まだまだ川根本町の良さをと伝えることができていない。『もっとこんなのがある』『こんなおもしいものがある』というのを、発信ができていない可能性はあるので、しっかりその点を伝えていきながらお客様に体験してもらうことが大事だと思っている」と前を向く。 観光協会はHPで紅葉の色づき状況を掲載していて、夢のつり橋のある寸又峡は2024年11月12日時点で「5分」の色づきとなっている。
テレビ静岡