小学2年生のバリスタが語るコーヒーの奥深さとは?「コーヒーは自由」「パナマ産の“ゲイシャ”はおいしい」8歳の誕生日にはカフェの1日店長にも挑戦
「一番好きなのは雲南(うんなん)の豆。すっきりしてるけど、酸味があって、フルーティーで、桃みたいな」。コーヒーの複雑な味わいを嬉々として説明してくれるのは、小学生バリスタの小澤俊介くん(7)。5歳のときに「師匠」に出会ってから、コーヒーの世界にのめり込み、自分で焙煎をするなど大人顔負けの技術と知識でスペシャルティコーヒーを淹れる。そんな俊介くんが8歳になる誕生日の7月30日にコーヒーの聖地・清澄白河で1日店長としてコーヒーを提供する。イベントを前にコーヒーとの出会いやイベントへの意気込みを聞いた。 俊介くんが綴ったコーヒー日記「うんなん。19ccおおかった。あじがぼけた。おいしくなかった。人にのませたくなかった。くやしかった」
バリスタのミスに唯一気がついた俊介くん
江東区の清澄白河駅から徒歩5分のところにある「リトルトーキョー」の3階。俊介くんの師匠でバリスタの中楯聡(なかだて・あきら)さんがカフェ「+Angle coffee works」を営むこの場所で、特別に俊介くんがコーヒーを淹れてくれた。 注ぐお湯の温度は90度。4回にわけて60グラムずつお湯を丁寧に注いでいく。「注ぐ時間やお湯の量で味が変わっちゃう」(俊介くん)と、0.1グラム単位で重さが測れるという精密な計量器とタイマーを使う徹底ぶりだ。 使用する豆も自分で焙煎したという中国・雲南省のもの。豆本来の魅力を最大限活かすため、豆を挽く粗さから、お湯の温度まで30パターン以上を研究。「将来の夢はもちろんバリスタ! 産地のことも、味のことも、ちゃんと説明できるようになりたい」と話す。 小学校2年生の俊介くんを温かく見守る母・舞奈美さん(39)は「保育園のときはずっと電車が大好きで。駅の名前も勝手に覚えちゃうような子なんです。でも、今は電車2、コーヒー8くらいの割合でコーヒーに夢中。親としては、本人がやりたいって思うことを自由にやらせてあげたいって思ってます」 そんな俊介くんがコーヒーの世界にのめり込むようになったのは2年前。清澄白河にあるカフェで飲んだハニーラテがきっかけだった。1ヶ月ほど前にも同じ店で同じラテを飲んでいた俊介くん。前回はおいしく感じたはずなのに、なにかが違う感じがした。 「なんか、ちょっと苦い」 それを聞いて驚いたのが、その店でバリスタをしていた中楯さん。 「実はその日の豆は焙煎を少しミスっていて。抽出の仕方を工夫して調整したので他のお客さんには気づかれなかったけど、俊介くんだけには見破られてしまったんです」
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