フジテレビ『古畑任三郎』で「SMAP黒塗り」が物議 “ボツ交渉”ウラに「いまだ尾を引く解散問題」
SMAP“黒塗り”演出が物議を醸している。 震源地は俳優の故田村正和さん主演の人気シリーズ『古畑任三郎』(フジテレビ系)。1994年にスタートした同ドラマは今年30周年で、同局は一挙放送している。 【写真あり】『古畑任三郎』が話題の田村正和 本誌だけに見せたカッコイイ「生前最期の姿」 30周年ならではの演出として、6月18日放送回ではオープニングで“ひとり語り”する田村さんのうしろに、歴代犯人役の写真が並べられた。そこでSMAPのメンバーだけが黒塗りで処理され、波紋を広げているのだ。 古畑シリーズでSMAPが犯人役として出演したのは1999年1月3日放送回。ネット上では「神回」と呼ばれ、ファンの間でも非常に人気が高い。このほか、メンバーの木村拓哉は単独で1996年1月31日放送回に犯人役として出演している。 「映像をみればわかりますが、歴代犯人役の写真で木村さんは黒塗りなしで使われています。SMAPだけが黒塗りということは、グループではNGであることを表します」 そう語るのはテレビ関係者。古畑任三郎に限らず、SMAPの映像使用はハードルが高い。 同グループは国民的な人気を誇りながら、’16年12月末をもって解散。木村は旧ジャニーズ事務所に残り、リーダーの中居正広は’20年春に独立。稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の3人は“SMAP生みの親”である飯島三智氏が代表を務める「CULEN」に移った。 「権利関係がバラバラなんですよね。全員がOKを出さなければ、グループの写真や映像は使えません。『古畑任三郎』に関しては、一貫してSMAPとしてはNG。動画配信サービスでも木村さん単独の犯人回は配信されていますが、SMAP回は公開されていません」(テレビ局関係者) 3年前の’21年6月3日~9日にも『古畑任三郎』傑作選(全5話)が放送された。選ばれたのはイチロー、松嶋菜々子らの出演回で、ここでもSMAPはなかった。水面下ではフジが当時のジャニーズ事務所と粘り強く交渉していたそうだが 「最後までOKは出なかった。SMAP回だけでなく、木村さんの回もダメだった。当時からセンシティブな問題という位置づけで、はなからボツ交渉だった」(前出・テレビ局関係者) という。 なぜここまでタブー視されているのか? スポーツ紙芸能担当記者は 「旧ジャニーズ事務所に残留した木村さんをSMAP解散の“元凶”扱いする声がいまだ根強い。仮に古畑任三郎のSMAP回を放送すれば、一部のファンが再び木村さんにバッシングを浴びせることは容易に想像できます。 しかも犯人役ですから、それに引っかけて過熱する可能性もある。放送しないのは、そうしたことに対する配慮、リスクヘッジでしょう」 と推察する。 ファンやテレビ局側の思惑はともかく、メンバーも最近の活動を見る限り、すでにSMAPは“過去”で、それぞれが歩みを進めている。『STARTO ENTERTAINMENT』の福田淳氏は社長就任時にSMAPの再結成に含みを持たせていたが 「業界ではシラケムード。むしろ『何もわかってないな』といった感じだった」(同・スポーツ紙記者記者) 古畑任三郎の再放送ひとつでここまでハレーションが広がるのはSMAPだからこそ。ある意味、唯一無二の国民的アイドルグループだったことを証明する出来事なのかもしれない――。
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