淡口しょうゆ発祥の地 兵庫・たつのならではのワークショップ体験 大正初期の蔵で地域の文化を味わう
淡口しょうゆ発祥の地として知られる兵庫県たつの市。2019年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。龍野城下町として栄えた頃の面影を色濃く残す、その街並みにたたずむ「醤油の郷大正ロマン館」では独特なワークショップが実施されています。地域の文化を知ることができると聞き、体験してきました。(取材・文=洲崎春花) 【写真2枚】“特別なワークショップ”で味わえる兵庫・たつのの名産品 絶品豆腐とともに ☆☆☆☆☆ 大正ロマン館には、元事務所棟を活用した「うすくち龍野醤油資料館別館」と、1915(大正4)年に龍野醤油同業組合(現:龍野醤油協同組合)が建設したしょうゆ蔵をリノベーションしたカフェ「クラテラスたつの」があります。 地産地消をテーマとする同店では、地域の特色を生かしたメニューが味わえます。加えて、“うすくち醤油”を名産とするたつのならではの、しょうゆの違いを知るワークショップが実施されています。 ワークショップの講師を務めるのは、クラテラスたつの代表で管理栄養士の水口麻衣子さんです。プログラムではまず、濃口、淡口、甘口など、しょうゆの6つの分類について説明を受けます。その後、それぞれの醤油の香りや色の違いをおちょこで少しずつ味わい、比較を体験します。 次に、“うすくち醤油”の発展について説明があります。“うすくち醤油”がどのように発達し、地域の名産品となったかの詳しい解説から、その歴史的背景を学ぶことができます。 最後にテイスティング。現在たつの市にある8つのしょうゆメーカーが販売する商品の中から数種類を、クラテラスたつの店内で手作りされているおぼろ豆腐にかけて楽しむことができます。普段、こんなにも多くのしょうゆを並べて味を比べる体験はなかなかできません。 一つ一つを比較してみると、熟成期間が短く色の薄いしょうゆ(うすくち醤油など)は、意外と塩味を強く感じたり、他にも、熟成期間が長くなるにつれて複雑で深い味わいになっていくのを感じることができたりと、それぞれの特長がよくわかりました また、物販コーナーではたつので製造されるしょうゆが数多く取り扱われていて、ワークショップで味わいが気に入ったしょうゆをその場で購入できるというのも魅力の一つです。 歴史を重ねた趣ある建物の中で、その土地の文化に触れ、味わい、学ぶことができるこのワークショップ。たつのならではの魅力を感じながら、豊かな時間を過ごすことができました。 ※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2024年11月3日放送回より
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