亀田興毅氏の「3150×LUSHBOMU」、中川抹茶と契約発表 元不登校の引きこもり…一度引退も再起
同じ境遇の子どもたちへメッセージ「助けてくれる人は必ずいる」
ボクシング興行「3150×LUSHBOMU vol.3」(12月21日、ツインメッセ静岡)の会見が22日、行われた。「3150×LUSHBOMU」ファウンダー・亀田興毅から、日本フェザー級8位の中川抹茶(スパイダー根本)が、オーストラリア国内2階級制覇王者ロッキー・オグデンとフェザー級8回戦で対戦することが発表された。 【写真】昨年8月の亀田京之介との一戦、『YAH YAH YAH』を歌いながら登場した中川麦茶 亀田ファウンダーは抹茶について「前回の7月の試合では、下馬評ではやや不利とされた試合でアジアランカーとの試合で完勝し、可能性を見せつけました。抹茶選手は今が伸び盛りの選手だと思うので試合が楽しみです。今回の相手も強い選手なので、この選手を相手にどのような試合をするかで今後が変わってくると思います」と抹茶についての期待を語ると、中川は「今回は、“お茶の聖地”静岡で試合できることが嬉しいです。これも何かの縁だと思うので、今回は負けられないですね。オーストラリアの選手と試合ですが以前ジェイソン・モロニー選手(当時のWBO世界バンタム級世界王者)のスパーリングパートナーとしてオーストラリアに行っているのでオーストラリア人選手のリズムを知っています。その時の経験を生かして相手をイメージして臨みたい。今回の試合で良い勝ち方をして今後は日本、アジアのタイトルに絡んでいきたい」と試合への抱負を語った。 また今回、「3150×LUSHBOMU」の契約選手となったことについては「このような契約をいただいたことは、すごく光栄なことです。ボクシングに専念できる環境を作っていただいて、関係者の皆様には感謝しています」と感謝の言葉を述べた。 2013年10月にデビューした抹茶は、15年度に全日本バンタム級新人王になり、17年には日本ユース初代バンタム級王座を獲得。しかし、21年1月には一度現役を引退した。またボクシングに復帰する気持ちにさせてくれたのは、当時「3150FIGHT」のリングで躍動していた兄・中川麦茶の活躍だった。元々は気弱な内気な性格だった抹茶は、小6から中1までは不登校の時期も経験。その当時、自宅の押し入れで引きこもっていた抹茶を「俺がボクシングを始めるからおまえも一緒にやるぞ」と兄・中川麦茶が強引にボクシングジムに連れ出した。 今のリングネーム「抹茶」は、自分が内向的だったその当時に食べていた「抹茶のお菓子」が由来となっている。そんな当時を思い出しながら抹茶は「兄には今も感謝しています。来年は兄弟で同じ興行に出て盛り上げていきたい」と、兄と再び「3150×LUSHBOMU」のリングでの共闘を誓っていた。そして「昔の自分と同じ境遇の子どもたちがいたら、一歩踏み出す勇気を持って欲しい。助けてくれる人は必ずいるので。自分が経験しているからこそ、そんな子どもたちの少しでも助けになれればと思っています」と子どもたちへのメッセージを送った。 次戦の相手となるオグデンは、元キックボクシングの世界王者で、アジア最大の格闘技団体「ONEチャンピオンシップ」にも出場している実績の持ち主。21年にボクシングに転向すると、わずか1年でオーストラリア国内2階級制覇(フェザー級、スーパーフェザー級)を達成。インスタグラムのフォロワー数も約2万5000人を超える人気者だ。オグデンとは対照的にフォロワー500人程度の抹茶は「フォロワー2万5000人を奪えるように頑張りたい。勝って1万人は超えたいですね」と笑顔で話すと、来年にも対戦を希望している相手が日本フェザー級4位でIBF世界フェザー級15位にもランクされている亀田京之介(TMK)だ。「来年タイトルに絡んでいきたいし、兄貴とやった京之介選手とやりたい」と、京之介は兄・麦茶が昨年7月に僅差の判定負けを喫した因縁の相手。強気な性格の麦茶は京之介と何度も乱闘騒ぎを起こしてきたが、自身については「自分は怖いので逃げてしまうかも。でも兄貴の敵を討ちたいですね」と将来の京之介との対戦を熱望していた。
ENCOUNT編集部