超がつくほどマニアック! レトロフューチャーなアストンマーティン「ラゴンダ」のコクピットは真のコニサー向け…2000万円以下なら買っておきたい!?
カタールのロイヤルファミリーが英国で使用したシリーズ4
このほどボナムズ「THE BONMONT SALE」オークションに出品されたアストンマーティン ラゴンダは、このモデルのファイナルバージョンであるシリーズ4のなかでもさらに最終期の生産分で、おそらくは最終生産車両からさかのぼって17番目にラインオフした個体と推定されている。 ボディカラーは、美しいブラック仕上げ。コントラストを効かせたコノリー社製「マグノリア」(黄味がかったクリーム色)レザーのインテリアが映えるこの見事なラゴンダは、もともとは長期滞在中のロンドンで使用するために輸出用プレートを付けた状態で、中東カタールのロイヤルファミリーであるアル・サーニ家に納車されたといわれているが、その後ドイツのコレクターに売却され、5年ほど保管されていたことも判明しているという。 全体的に非常に良好なコンディションで、走行距離は8万8000km弱と言われており、オーナーのプライベートコレクションから提供されるとのことである。
オーナーズマニュアルとサービスブックも付属
現オーナーは、このラゴンダSr.4をスイスへと輸入。彼の地におけるアストンマーティンやジャガーのスペシャリストとして知られる「エミール・フレイ・クラシックス」社に一般的なメンテナンスを委ねたほか、スイスの排ガス規制を遵守するための触媒コンバーターの取り付けも依頼した。また、純正カーペットと同色のラムウール製オーバーマットも、このとき新たに装着されている。 「アストンマーティン ラゴンダ」としては究極的な発展形であるこの壮麗な1台は、スイス国内の登録書類、エミール・フレイ・クラシックス社による最新の作業の請求書、オーナーズマニュアルとサービスブックを含む純正ファイルとともに提供された。 そしてボナムズ社は11万~14万スイスフラン、つまり日本円に換算すれば約1880万円~約2400万円という、現状におけるこのモデルとしてはハイエンドにも近いエスティメート(推定落札価格)を設定したものの、オークション当日の競売ではビッド(入札)がオーナー側とボナムズ社側で定めたリザーヴ(最低落札価格)には届かなかったことから「No Sale(流札)」に終わり、現在でもボナムズ社営業部門によってエスティメートと同額のまま、継続販売とされているようだ。 蛇足ながら、新車時代には不人気だったはずのラゴンダ シリーズ1は、ここ数年の国際マーケットで20万ポンド(邦貨換算約3800万円)をはるかに超える価格で販売された実績があるようだ。不人気ゆえに希少価値が高く、そこに目をつけるコレクターは必ず現れる。そんな様子を見るにつけ、コレクター向けのクラシックカーの市場はなかなか読めないもの……、と実感させられてしまうのである。
武田公実(TAKEDA Hiromi)
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