献血、毎日呼びかける理由 体験して知った「輸血」だけじゃない用途 成分献血のゆくえは
需要が増加「血漿分画製剤」の原料
献血で提供された血漿のなかにあるたんぱく質がもとになった薬を「血漿分画(けっしょうぶんかく)製剤」と呼びます。 アルブミン製剤、免疫グロブリン製剤、血液凝固第8因子製剤などがあり、それぞれショックや重いやけど、重症感染症や川崎病、血友病などの病気に使われます。 特に近年、免疫グロブリン製剤の需要が高まっており、原料となる血漿の必要量がおよそ1.3倍増えているそうです。 献血された血液のうち、2023年度は45.3%が輸血用として使われ、54.7%が血漿分画製剤用として使われることが見込まれています。 平柳さんは「血漿成分献血の受け入れ環境の整備と拡充のため、国内3都市には血漿成分献血専用の献血ルームが設置されています」と話します。 都内では、2023年5月にオープンした八重洲の献血ルームが、血漿成分献血の専用ルーム(https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/place/m1_01_17_room.html)です。 ここにはコワーキングスペースも設置されており、ビジネスパーソンも仕事の合間にフラッと寄れそうです。
2週間後には再び献血OK
初めての成分献血に緊張していた記者ですが、針の太さは全血献血とあまり変わらないとのこと。刺すときにも大きな痛みはありませんでした。 スタッフの皆さんも「寒くないですか?」「定期的に脚を動かしてくださいね」などと声をかけてくださり、あたたかい湯たんぽをおなかに抱えて、相撲中継を見ているうちに40分ほどで終わりました。 その後は、休憩エリアで水分をとって、最低でも20分は休みます。 受付からこの休憩まで、全血献血では60分ほど、成分献血では90~120分ほどかかるそうです。 全血よりも時間がかかってしまうものの、赤血球などを戻す成分献血は体の負担が少ないとのこと。 年間の採血回数に制限はありますが、2週間後にはまた献血ができるようになるそうです。