【専門家】「気づけばぼーっとしてしまう」 不注意が気になるときの対処法
忘れ物や、うっかりミスなどの不注意はだれにでもありますよね。 しかし、それが「いつも宿題を持ち帰らずに学習が進まない」「体育や図工など、持ち物を忘れて授業に参加できないことが多い」など、日常生活に差しさわりがある場合、発達障害の一つであるADHD(注意欠如・多動症)に原因があることがあります。 この記事では、不注意が目立つタイプのADHDの特性やチェックポイント、不注意によるミスを減らすための対処法についてお伝えします。
不注意優勢型ADHD(ADD)とは?
不注意によるミスをすると、その失敗から学ぶことで改善が見られるのが一般的です。 しかしADHDの特性が背景にある場合には、忘れ物が減らない、集中力が続かないなど、気をつけていても同じ失敗を繰り返してしまうことがあります。 特に、ADHDの3つの特性である不注意、多動性、衝動性のうち不注意が最も強く現れ、ほかの2つはあまり見られないタイプを不注意優勢型ADHD、またはADD(Attention Deficit Disorder with and without Hyperactivity)と呼ぶことがあります。 ADDは以前、ADHDとは分けて診断されていましたが、現在はADHDのタイプのひとつである不注意優勢型ととらえられています。 なお、不注意、多動性、衝動性全てが見られるADHDは混合型と呼ばれます。 不注意優勢型ADHDは、お子さまがだらしないわけでも、怠けているわけでもないため、心がけだけではなかなか改善しないことも多いと言えます。 適切なアプローチやサポートによって、不注意を軽減し、よりよい日常生活につなげていくことが大切です。
不注意優勢型ADHDによく見られる特徴
不注意優勢型ADHDにはどんな特徴や傾向が見られるのか、以下にその傾向をまとめました。 気になるかたはぜひチェックしてみてください。 <不注意優勢型ADHDによく見られる特徴> ・指示や説明をしばしば忘れる ・集中力が続きにくく、課題に取り組んでいるときに手が止まってしまう ・忘れ物や、置き忘れが多い ・学校の宿題やテストの成績が一貫しない ・日々の予定やタスクを忘れてしまう ・日常生活の中でうっかりミスを繰り返してしまう ・約束の時間を守れないことがよくある ・整理整頓が苦手で部屋や机が散らかっている ・課題や宿題の締め切りを忘れてしまう ・気づくとぼーっとしていることが多い ・複数のタスクが重なると、混乱してしまい同時進行が難しい 不注意優勢型ADHDは注意力が散漫になりやすく、授業中などに心ここにあらずといった感じになったり、人の話を聞いていないように見えたりします。 どちらかというとおとなしく目立たないタイプが多いため、発達障害があることに気づかれにくい側面があります。また、比較的女の子に多い傾向にあります。