トークンオファリングではなく「ノードセール」──Sophonが6000万ドルを調達
これはブロックチェーン業界の最新イノベーション。だが、テクノロジーに関してではなく、投資家からキャッシュを集めることにおいてだ。 エンターテイメントに特化したブロックチェーンエコシステムのソフォン(Sophon)は「ノードセール」で6000万ドル以上を集めた。ノードセールは、トークンセールが証券規制当局の監視下に置かれるようになるなか、資金調達の斬新な形態として暗号資産業界に浸透しつつある。 ブロックチェーン分析サイトのデューン(Dune)によると、zkSyncプロジェクトのテクノロジーを用いてイーサリアムブロックチェーン上にロールアップネットワークとして構築されたソフォンは、約12万1000のネットワークノードを販売し、約2万391ETH(6270万ドル相当)を獲得した。このセールでは、合計20万ノードが提供された。 ノードの多くはベンチャーキャピタル(VC)が購入した可能性が高いと、この件に詳しい人物はCoinDeskに語った。 厳密に言うと、購入者はイーサリアムベースのERC-721トークン、またはNFTを購入し、ノードを操作できるようになる。その結果、彼らは今年の第3四半期に予定されているネットワークの本稼働後、最初の36カ月間、リリース予定のSOPHトークンの合計20%を獲得する資格を得ることになる。 ソフォンでノードを実行することの明確な金銭的側面を強調するために、プロジェクト関係者はプレスリリースで、ネットワークが20万ノードすべてを必要とするわけではないことを認めている。ユーザーは自ら積極的にノードを操作する必要はない。 プレスリリースによれば、「利用者はノードの運用を任せて、報酬を得ることができる」「さらに、セール終了時に売れ残りの未使用ノードライセンスは流通せず、焼却処分される」という。
データの可用性にセレスティアを利用
ソフォンは以前、ペーパー・ベンチャーズ(Paper Ventures)とメイブン11(Maven 11)が主導し、スパルタン(Spartan)、セブンX(SevenX)、オーケーエックス・ベンチャーズ(OKX Ventures)が参加した従来形式の資金調達ラウンドで1000万ドルを調達している。 この資金調達の実績は、プロジェクトの代表者の名前が公表されていないことを考えると特に興味深い。プレスリリースによると、このプロジェクトは「以前、zkSyncのDeFi責任者だったSebastien(Seb)氏、暗号資産ツイッター界の伝説的存在であり、メリット・サークル(Merit Circle)のトレーダー兼チームメンバーのPentoshi氏を含む、複数の有名な半ば匿名の開発者たち」によって共同設立されている。 5月3日のX投稿でSeb氏は「多くの人々がノードセールにうんざりしており、我々が行っていることの技術的正当性、ひいてはプロジェクト全体の正当性に疑問を抱いている」ことに気づいたと書いている。 「我々はこの資金を使ってクールなものを作り、イノベーションを起こし、プロジェクトに資金を提供し、戦略的パートナーシップを結んでいく。目指すところは常に、中核的コミュニティに価値を届けることにある」とSeb氏は述べ、「私自身、暗号資産のネイティブユーザーとして、新しいプロジェクトに資金を投じることの意味と、創設者の透明性の価値をよく理解している」と続けた。 このプロジェクトの投資家向けプレゼン資料によると、データサービスは別のブロックチェーンプロジェクトであるセレスティアに接続することで提供される。