紫式部と清少納言が最終回まで…クリエイター大河だった「光る君へ」 ついに登場した〝めぐりあひて〟
大河ドラマ「光る君へ」がついに最終回を迎え、SNSでも惜しむ声が投稿されました。清少納言を推し、1年にわたって情緒が乱れていたという編集者のたらればさんは「最終回まで清少納言が出てきて、改めて『クリエイター大河』だったんだな」と語ります。(withnews編集部・水野梓) 【画像】初公開の「紫式部図」 平安文学が与え続けるインスピレーション
「武士の世」を予感させる終わり方
withnews編集長・水野梓:ついに、最終回をむかえてしまいましたね…。たらればさん、いかがでしたか? たらればさん:清少納言(ききょう)さん、最後に出番があって本当によかったです……。まひろ(吉高由里子さん)の家にききょう(ファーストサマーウイカさん)が訪ねて、笑い合っているなんて……。あのシーンで2時間やってほしかったですよね。報われた感がありました。 水野:「『枕草子』も『源氏の物語』も、一条の帝のお心を揺り動かし、政さえも動かしました。たいしたことを成し遂げたと思いません?」というセリフが、本当にききょうらしくていいなぁと思いました。 たらればさん:『紫式部日記』であんな人格否定を書かれたのに、よく気にせずに話せるな、ききょうは心が広いなあ、とは思いましたが(笑)。クリエイターたちが長生きするなか、道長の死でエンドという大団円でしたね。 水野:最終回、要素が詰め込みまくりでしたね。 たらればさん:だいぶ駆け足でしたね。最後の「東国で戦が起きた」が「平忠常の乱(たいらのただつねのらん)」のことだとしても、最終回で8年間以上が経過している計算になるので。 水野:武士の世がくることを予感させる終わらせ方でしたねぇ。大きな戦がなかった平安時代の「泰平の世」ってすばらしかったなぁと改めて思いました。 たらればさん:このドラマの時代考証を担当した倉本一宏さんがよくおっしゃっているんですが、平安時代中期は、貴族の腐敗だとか一般市民は虐げられていただとか、いろいろ言われるけれども、日本史を通してみると内乱が少なかった時代だし、政治の世界でも政敵の毒殺や打ち首といったものもなく、せいぜい呪詛くらい(呪詛くらい?)だったわけで。「けっこう良い世の中だったんじゃないか」とおっしゃっていて、「確かにそうだよな」と感じさせてくれる大河ドラマでしたよね。