俺は絶対謝らない⁉ 兵庫のおねだり知事が乱発、謝罪会見で絶対に使ってはいけない「NGワード」
兵庫県の斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑。「おねだり知事」といったワードがSNSでも話題ですが、実際、人が2人亡くなっていますからね。百条委員会では関係者が亡くなった経緯、因果関係、公務における知事の振舞いに違法性や問題がなかったのか、といった点を是非しっかり検証してもらいたいです。 この記事の他の画像を見る 百条委の証人尋問(偽証が刑事罰に問われる)で、表情一つ変えずに「『俺は知事だぞ』なんて言っていない。『兵庫県知事です』と名乗っただけ」なんて言えるメンタルが、もはや「石丸越え」を感じさせる、なんかホント凄いですね、としか言いようのない御仁なんですが、そのやり取りの中、やっぱり今回も飛び出した「謝罪で絶対に使ってはいけない」あのワード。 「不快に思った人がいれば、心からおわびしたい」 はい出ましたね。夜間、休日を問わず部下に指示を出しまくった、という指摘に対する斎藤知事のコメントなんですが、そもそもこのワードは「プライドが高い」「謝りたくない」という人物が、どうしても謝罪せねばならぬ状況に追い込まれた際、これまで高確率で発射されてきたワードなので、今回もそのうち飛び出すだろうと思っていたら……もう出たんですか、早かったですね。 この「〇〇と思った人がいれば~」がなぜNGなのか。この連載ではもう100回くらい書いた気がしますが、これって 「不快に思った人がいなければ詫びるつもりはない」 という宣言にほかならず、その気がなくてもそう解釈される可能性がある以上、謝罪においては絶対に使用を避けるべきワードなのです。 仮に、もし本心からその点を詫びたいと思っていたとしても、意図とは異なる解釈をされるリスクがある以上、危機管理観点からも使うべきワードではありません。私はこのワードを耳にする度、「ああこの人、本心では謝りたくないのかなぁ」と思ってしまいます。
まだあるNGワード
もう一つ、これと全く同じ理由で使用を避けるべきワードがあります。 「言葉足らずだった」 はいこれもダメ。だってこれ「表現や言い回しが悪かっただけで、本質的には問題ない」と言っているのと同じですからね。仮に心の底から言葉足らずを詫びたかったとしても、使うべきではありません。 以前あるテレビ番組で、野球の張本勲氏が五輪の女子ボクシングをバカにして大炎上、謝罪に追い込まれた際に、 「今回は言い方を間違えて反省しています」 「言葉が足りませんでした」 という謝罪コメントをぶっ放して再炎上、結局は番組を降りることになりました。 元静岡県知事の川勝平太さんなんて、辞任の謝罪コメントで「傷つけたとすれば申し訳ない。不十分な表現だった」と欲張りにも両方同時に使って火ダルマになりましたからね。あれはよく燃えていた。 謝るのが得意じゃない人に頭を下げさせる時は、ちゃんとプロのアドバイザー入れないとコケます。でも謝るのが得意じゃない人は、アドバイザーの言うことなんて聞かないので、どのみちコケます。
待ってますよ
謝れない人って、的確な状況判断ができない、謝罪しないで逃げたらどうなるのか、が予測出来ない人なんですね。つまりは危機管理能力が低いということ。ナンチャラ界隈の大御所ならともかく、政治家、特に国政を担う国会議員における「それ」はカンベンです。 ただ残念なことに、与党も野党も謝れないダメな議員センセイが沢山おりまして……いつまでたっても私に謝罪してくれないあの人にも、是非この記事が届くことを祈っています。 Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員) ※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。
小木曽 健