日本シリーズで王手をかけられた広島の逆襲は可能か
マツダスタジアムでの勝率.647
そして最大の味方が真っ赤に染まるマツダスタジアムでの勝率だ。今季、本拠地では、44勝24敗2分けで勝率.647と圧倒的な強さを誇る。このシリーズを最後に引退する新井貴浩が、「マツダスタジアムの打席に立って、大声援を受けると自分が持っている力以上のものを出させてもらえる。本当に感謝している」と語っていたが、マツダスタジアムでの広島は本当に強い。 また池田さんは「中継ぎに石川がいなくなったことで3連戦で3連投となったソフトバンクの強力な中継ぎ陣にも少し疲労が見えた」と、武田翔太、モイネロらを擁するソフトバンクのシリーズ用の最強中継ぎ陣にも死角があるとも指摘する。 広島が逆転で34年ぶりの日本一を手にするためには、ここから連勝で逆王手をかけて、5日にマツダスタジアムで予定されている第8戦にまで持ち込む必要がある。だが、残り3試合を得意のホームで戦えるのはアドバンテージだ。 日本シリーズの歴史を紐解くと、第8戦までもつれたのは、同じく広島が西武と争った1986年の一度だけ。 実は、このシリーズも広島市民球場からスタート。広島は開幕戦を今回とまったく同じスコアの2-2で引き分けた後に3連勝したが、そこから3連敗。最終決戦となった8戦目は、2-3で、西武に逆転負けしたが、胴上げ投手となったのはリリーフ登板した工藤公康だった。 ちなみに工藤監督は、先発、リリーフのフル回転で4試合に投げて1勝1敗2セーブ、防御率1.20、打っては第5戦でサヨナラヒットを放つ大活躍でシリーズMVPに輝いている。また敢闘賞は、現在ソフトバンクのヘッドコーチの達川光男だった。そう考えると、8戦目にまでもつれこめば、広島にとって、32年ぶりのリベンジをかけた舞台ともなる。