異色経歴の2人の挑戦に注目 ルーキー小林香菜はサークル出身、世代トップ選手だった伊澤菜々花は2年のブランクから復帰【クイーンズ駅伝】
そう言った一方で、「失敗するイメージはゼロです」とも話した。「全日本実業団陸上10000mで競り合った矢田選手や兼友良夏選手(23、三井住友海上)と一緒に行けたらいいですね。それだけの練習はできているので、絶対に失敗はしません」。 河野監督は“期待”という表現にはしなかったが、小林は初実業団駅伝の走りは“期待”以上だった。トップを行く矢田とは離れた位置だったが、12位でタスキを受け取り2位にまで進出した。区間2位の成績に「悔しいです」と小林。「区間賞の自信はありませんでしたが、“取りたい”とは思っていましたから」。 前を追う駅伝の走りができていたのだろうか? 最初の1kmは「3分5秒」で入ったという。全日本実業団陸上で出した10000mの自己記録は32分22秒98。1000m平均は3分14秒30で、最初の1000mは3分15秒で入っていた。そのときより10秒も速いペースで前を追ったのだ。 「1、2区の先輩が良い位置でタスキをつないでくれたからです。前に目標にできる選手たちが良い間隔で走っていたので、楽しく、気持ち良く走ることができました」 小林が練習と試合で、ペースが大きく変わるタイプであることも、この走りを可能にしている。 「試合になるとテンションが上がるタイプで、練習からは想定できないペースで走ることができます。怖さもありますが、レースになると自然と行けてしまいますね。自分でも不思議です。マラソンの学生歴代3位もそうでした」 クイーンズ駅伝でも、1区や5区の可能性もあるが、プリンセス駅伝と同じ3区の可能性が最も高い。「クイーンズになるとプリンセスより強い選手がたくさん出場するので、目標はまだ考えられません。マラソンを大事にしたいので、マラソンにつながる走りがしたいです」。 区間3位以内は難しいかもしれないが、タスキをもらう位置によっては再び、何人もの選手を抜くゴボウ抜きの走りが見られるかもしれない。