韓国市民、弾劾デモで「世代統合」…若者は「民衆歌謡」、中高年は「K-POP」学ぶ
「弾劾集会でK-POPに関心を持ってくれる上の世代に思いを伝えたかったんです。若者世代も民衆歌謡を学んで集会に参加すれば、過去と現在がつながり、ともによりよい未来を築いていけるのではないでしょうか」 最近、ソーシャルメディアに民衆歌謡(韓国における民主化運動や労働運動及び農民運動、学生運動などの闘いの中から作られた歌)の歌詞集を作り投稿したLさん(30)は11日、ハンギョレにこのように語った。LさんはX(旧ツイッター)に「弾劾デモで歌う民衆歌謡10曲の歌詞」をPDFファイルで投稿したが、この投稿は2日も経たないうちに7千件近くシェアされた。この歌詞集には「あなたのための行進曲」、「朝露」、「岩のように」などが含まれている。Lさんは「集会現場で歌を歌うのは個人の声が集まって一つの強いメッセージを作っていく過程だと思う。連帯の意味で歌詞集を作った」と説明した。 毎晩、全国で内乱罪の被疑者である尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する弾劾集会が続いている中、若者世代は民衆歌謡、中高年はK-POPを覚えることに取り組んでいる。Xなどでは「MZ世代も民衆歌謡を学ぼう」という投稿がシェアされ、中高年世代が主に集まっている団体チャットルームでは「50代以上の皆さん! 円滑なろうそく集会参加のために事前学習が必要です」という文と共に、(G)I-DLEの「Klaxon(クラクション)」、ロゼの「APT.」、aespaの「Supernova(スーパーノバ)」など集会で鳴り響いたK-POPリストが広がっている。集会主催側である「ろうそく行動」は団体チャットルームに「年配の方々はK-POPをかけてほしいと言い、20~30代の方々は民衆歌謡をかけてほしいと言う」とし、「このような思いやりを見ると、尹錫悦弾劾も間もなく実現しそうな予感がする」と書き込みを残した。 民主労総の若い活動家たちは新たな民衆歌謡作りに乗り出した。彼らは「ある時期以降、民衆歌謡が以前に比べて人々との接点が少なくなったようだ」とし、「私たちは私たちの歌を、今の観点で記録しようと思う」と語った。新しく作られる歌のタイトルは「新しい歌」で、昔の歌に新しい服を作って着せてみようという意味などが込められている。このプロジェクトはクラウドファンディングのプラットフォーム「Tumblebuck」で後援金を集めているが、すでに目標金額500万ウォン(約53万円)をはるかに越えた。 世代大統合の気流は集会現場でも現われている。集会に多様なペンライト(コンサートなどでの応援グッズ)が登場したことを受け、主催側は「ペンライトを知る」コーナーを正式に設けることにした。数多くのペンライトが登場するだけに、どの歌手のペンライトなのかを共に学ぶ時間を持とうという趣旨だ。このコーナーで、ってきたペンライトを紹介するために舞台に上がった市民たちが「気楽に○○○(好きな歌手)の『推し活』をしていた日常を返してほしい」、「□□□(好きなアイドル)、私が住みやすい世の中にしてあげる!」と叫ぶ場面もあった。先週末の集会に参加した60代の男性、イ・サンジン氏は「ろうそくがペンライトに進化するとは思わなかった」とし、「若い人たちが先頭に立って新しいデモ文化を作っていくようで、誇らしく胸が熱くなる」と語った。 パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )