【昼田祥子さん】3年で服を1000枚減らした、私自身が日々実験。何を捨てても大丈夫、良いことしか起こらないと知ってほしい
子どもの頃はお気に入りの服をずっと着ていたかった。服を捨てていくことで、幼少期に戻っていく感覚も
服はずっと好きで、3歳ごろには「これを着たい!」という意思があったそう。お気に入りの赤いパンツをずっと履きたい、好きなものをずっと着ていたい、という思いは幼少期から強かったそうです。 「振り返ると、昔も好きな服をずっと着ていたいタイプだったんです。それなのにファッションエディターという仕事もあってか、あんなにたくさんの服を持つようになって。服を捨てていくことで、幼少期に戻っていく感覚もありました。そもそも好きだった自分の本質はこれだった、と気づかされた経験でした」
小中高は広島で過ごし、大学進学のため京都に。単位を3年で取り終えて、ファッションの仕事がしたいと東京へ。ファッションエディターとしてのキャリアがスタートします。 「ファッション雑誌にスタッフの募集の記事があり、応募しました。雑誌を編集している編集プロダクションの募集だったのですが、すぐに採用され、担当ページを持つように。大学卒業後は、そのまま編プロで働く流れになりました。その後、出版社をいくつか経て、2013年にフリーランスになりました」
服を捨て、本を出版したことで、封印していた「本来の積極的な自分」を解き放てた
目立たない・表に出ない裏方の仕事を望んで編集者になったけれど、本音は自分の視点を表に出したい、アピールしたい思いがあったことに気づかされたと言います。 「本を出したことで、やっと自分の思いを解放できた、傷ついた自分の思いを癒すことができた、という感覚です。思えば30年以上親から言われた言いつけを守って自分を隠して生きてきたようなもの。服を捨てたことで、本来の自分、積極的な自分に戻ったと思います。封印していた自分を解き放ったというか。だから今が生きてきた中で一番楽、人生ってこんなに楽しいんだなと毎日思います」
移住先の山形から東京に戻ったのは2023年4月。この時も「そろそろ戻らなきゃ」と直感的に思ったのがきっかけでした。引っ越し先の周辺には大きな公園があり自然が豊か、お子さんのいい幼稚園にも巡り会いました。そこから本を出すことが決まり、『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』を11月に出版することに。 「行動を起こす前に不安に感じる人は多いかもしれませんが、私は服を捨てたおかげでそう思わなくなりました。3年かけて服を1000枚減らす作業をやってきているので、自分の中で“大丈夫”という確信があった。だから迷いのない決断ができました。どうせ何とかなるんです。どんな時も、自分の本音・気持ちを大事にしていけばいい。私自身が日々実験なんです。何を捨てたら、どう変わっていくのか。私がそれを証明していきたいです。何を捨てても大丈夫、良いことしか起こらないことを知って欲しいです」