ルネサスの第5世代「R-Car」、第1弾は3nm採用で最高レベルの性能実現
400TOPSのAI機能や4TFLOPSのGPU搭載、チップレットでさらに向上
R-Car X5Hは第5世代R-Carの第1弾で、同ファミリーのハイエンド品として位置付けられる製品だ(X5HのHはHighを意味する)。具体的には、アプリケーション処理用に32個のArm Cortex-A720AE CPUコアを搭載し、1000k DMIPS以上の性能を発揮する。また、リアルタイム処理用のCortex-R52 CPUコアも6個搭載し、60k DMIPS以上の性能を実現。外付けマイコン無しでASIL-Dを実現可能だとしている。最大400TOPSのAIアクセラレーターを備える他、最大4TFLOPSのGPUの搭載によってより多くのカメラ/グラフィックスの統合も可能だ。 R-Car X5Hでは、強力なコンピューティング機能やAI機能、グラフィック処理、ディスプレイ、メディアストリーミングのサポート、リアルタイム処理などを1チップに統合したことで、次世代の自動運転やIVI、ゲートウェイアプリケーションに対応できる。 さらにR-Car X5Hでは、チップレット技術を適用。標準規格UCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)に準拠していて、2つのUCIeインターコネクトを用いて外付けのNPUチップレットおよびGPUチップレットを集積するマルチダイシステムとすることで、さらなる演算能力向上が実現できるという。ルネサスは、API(Application Programming Interface)も提供するといい、外付けチップレットは、ルネサス以外のUCIe対応チップレットも対応可能だ。Bhan氏は、「このモデルとアプローチに加えて、2.0から2.5、3Dパッケージングまでを含むパッケージ技術の進歩のロードマップも提供する。これにより、R-Car X5Hが構築できるさまざまなレベルのパフォーマンスが提供される」とも語っていた。