「匿名でパワハラ通報したのに所属部隊で嫌がらせ」…男性自衛官、慰謝料など求め国を提訴
パワーハラスメントに関する陸上自衛隊の相談窓口に匿名で通報したところ、秘密が守られずに所属部隊で嫌がらせを受けたとして、北海道内の部隊に所属する50歳代の男性自衛官が20日、国に慰謝料など220万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こした。
訴状によると、原告の男性は2021年4月、当時の所属先の東千歳駐屯地(千歳市)で起きた1等陸尉らのパワハラを通報。本来なら通報者の氏名などは秘密として扱われるはずだったが、男性の所属部隊に通報内容が伝えられた結果、男性は複数の上官に詰問されて通報者が自分だと認めざるを得なくなったり、「通報者を処分する」「テロ行為を許すわけにはいかない」などと責められたりしたという。
提訴について、防衛省や陸上自衛隊は「訴状が届いた時点で内容を関係機関と検討し、適切に対応したい」とコメントした。