ChatGPTが「論理的思考力」を得てどう変わったのか?その凄さがわかる3つのポイント
個々のユーザーに即した回答
今回のChatGPTのアップデートは、ただデータを引っ張ってくるだけにとどまりません。 このアップデートのテーマは、「個々のユーザーを知ること」です。 これには、目的にぴったり合った応答を提示し、個々のユーザーに即したやりとりをすることも含まれます。その出来はすばらしく、「こいつ、私の心を読んだのか?」と疑ってしまうほどです。 ChatGPTとある程度の会話履歴があり、なおかつ人類と機械の未来について葛藤を感じてみたいという人にぜひ試してもらいたい、面白いアイデアがあります。 ChatGPTに対して、「自分では気づいていない可能性がある、私の意外な一面にはどんなものがありますか?」と尋ねてみてください。このようなプロンプトを投げかけたなら、ChatGPTの能力の高さを思い知ることになるでしょう。 つまりChatGPTは、これまでのチャットでのやりとりで知った、ユーザーに関するすべての情報をもとに、論理的に考え、思慮深い知見を提供してくれるのです。 実際、私が受け取った答えも、かなり深いものでした。これが、(真面目なトーンだとはいえ)ロボット的な合成音声で語られていることを考えると、一層考えさせられてしまいました。 このようなやりとりから生じる実存的不安はさておき、ChatGPTを生産的に活用する方法はたくさんあります。 次のクリエイティブなプロジェクトに向けて、アイデアのブレインストーミングにChatGPTを活用しているなら、プロンプトを投げかけるたびに、あなたのスタイルや好みに基づいてカスタマイズされた、理にかなった提案をしてくれるはずです。 あるいは、何か買いたいものがある場合(ジャケット、新しい食洗機、はたまた剥製コレクションに加えるべき逸品でも)、今抱えているニーズをChatGPTが論理的に分析し、選択肢を絞る手助けをしてくれるでしょう。
「用心しつつも、前向きに」受け止めたい、AIの進化
OpenAIが導入した高度な新機能について、ここまで紹介してきました。 こうした新機能が、あなたの親友や、創作活動における人間のコラボ相手に、完全に取って代わるものだとは、私も思いません。それでも、ChatGPTに論理的思考能力が加わったことは、かなりの進歩と言えるはずです。 大事なのは、AIの進化に飲み込まれないことの重要性だと私は思っています。AIにできることが増えれば増えるほど、AIに過剰に頼ってしまいがちになります。 自分が下した判断よりも、AIの判断を信用するべきでしょうか? 私としては、このようなジレンマをはらんだ疑問など、そもそも考えたくもありません。 加えて、データのプライバシー問題についても、考える必要があります。一人ひとりに寄り添ってくれる回答は素晴らしいのですが、AI技術がそうした回答を生成するには、個人情報が不可欠です。 自分のデータがどのように取り扱われているか、データの安全な保管の責任を担っているのは誰なのか、常に注意を払うことは必須です。 とはいえ、大きな視点で見れば、この新機能が持つ意味について、ワクワクするなというほうが無理でしょう。 論理的思考力を得たことで、ChatGPTは、単なるチャットボットにとどまらない、実に多くの役割を手に入れました。まさに、ブレインストーミングや問題解決に手を貸してくれるだけでなく、非常に洞察に富む提案もしてくれるパートナーが、すぐそばにいてくれるようなものです。 責任あるかたちで使えば、人間がAIと関わるあり方を変え、知識の習得や共有に関して、まったく新しいアプローチをもたらす可能性があるのです。 Source: OpenAI Original Article: ChatGPT Can Now Reason: 3 Ways This Is Amazing by MakeUseOf
長谷睦(ガリレオ)