「毎日1時間は残業したら?」と上司に促されました。正直、固定残業代をもらっているのに残業する気になれません…。
長時間にわたる時間外労働が問題視されている中で、固定残業代の制度を導入する会社も存在します。固定残業代とは、毎月の基本給に加えて一定額の残業代を支給する制度です。企業が従業員の残業時間を想定したうえで支給額を設定し、実際の残業時間に関わらず残業代を受け取れます。 しかし、固定残業代が支払われている以上、残業は絶対に行わなければいけないのでしょうか。上司から残業を促された場合、断っても問題ないか気になる人もいることでしょう。 本記事では、固定残業代について解説します。固定残業代が支給されていると、絶対に残業しなければならないのかもまとめているので、参考にしてください。
固定残業代とは?
固定残業代とは「みなし残業代」とも呼ばれており、以下の2種類に分類されています。 ●基本給に加えて固定残業代を支給する ●基本給に固定残業代を含めて支給する 従業員が残業すると想定して一定額を支給する制度で、実際の残業時間に関わらず残業代を受け取れる制度です。例えば、雇用契約で「月30時間の残業を含む」などと定めていれば、月30時間までの残業代は基本給と別に支給されません。 固定残業代は上限時間が定められていないため、時間は企業側で設定が可能です。しかし、厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」によると、法定労働時間(1日8時間または週40時間)を超える残業は「36協定」によって1ヶ月45時間、1年間で360時間を上限としているようです。 そのため、固定残業代を設定する際には、1ヶ月45時間を超えないようにする企業が多いと認識していいでしょう。 ■効率良く仕事をすれば実際よりも多くの残業代をもらえる 固定残業代が支給されることによって、効率良く仕事をすれば実際の残業時間よりも高い残業代の受け取りが可能です。また、残業を一切行わなかったとしても、固定残業代は支給されます。固定残業代は、1ヶ月の残業時間に対してではなく、定められた一律の金額が支給される制度だからです。 固定残業代は、業務の繁閑によっては残業代が大きく変動して、収入の安定性が欠けることを避けられます。また、毎月どのくらいの収入を得られるのかを明確に把握できるので、収入と支出の管理もしやすくなるでしょう。 なお、設定された固定残業時間を超過した場合は、残業代が追加で支給されます。残業代が固定に定められているとはいえ、定額で働かせ放題を目的にした制度ではありません。