新経済連盟の三木谷氏、選挙後の政権運営に提言。規制緩和、円安是正、所得税や相続税の引き下げなどの方針を国民に示すべき
一般社団法人新経済連盟は10月28日、第50回衆議院議員総選挙の結果を受け三木谷浩史代表理事名義のコメントを公表した。 選挙は現政権にとっては厳しい結果となり、「単独で過半数を確保できる政党が不在であるため、今後の政権運営の枠組みは不透明な面がある」(三木谷代表理事)としながらも、今後の政権運営への期待を表明。能登半島の震災など各種災害への対応に万全を期すことが重要とした上で、日本経済の再生の観点から新政権として各種規制緩和、円安是正、移民基本法の作成検討、所得税や相続税の引き下げ、選択的夫婦別姓精度などを含む7つの項目についての方針を「明確に国民に示すべき」(同)とした。 三木谷代表理事があげた7項目は次の通り。 1. 日本経済の低成長の最大の原因を明らかにし、当該原因に対する打ち手を明らかにすること。イノベーション創出やスタートアップ振興も念頭に各種規制緩和を推進すること。また、円安の是正を行うため所要の措置を講ずること。 2. 人手不足問題と労働人口拡大の打ち手を明らかにすること。移民を正面から取り上げるため移民基本法の作成を検討すること。 3. 労働生産性向上の打ち手を明らかにすること。意欲ある労働者が時間に縛られずに働くことを可能にすること(労働者の働く権利の確保、労働者の自立(自律)と選択肢の拡大等)。 4. 経済政策の観点からの税制のあり方を明らかにすること。その際、有能な人材の確保と海外流出を防ぐとともに、世界に通用するスタートアップを作り上げるために、所得税及び相続税の最高税率の海外とのイコールフッティングを行い当該税率を引き下げること。その他、税率を引き下げて日本経済活性化を促し税収を増やして再び国内投資へとつなげる、「税と成長の好循環」を確保すること。 5. 持続可能な社会保障制度の構築のために必要な打ち手を明らかにすること。 6. デジタル技術等も活用した効率的な政府の実現を実施すること。財政支出のメリハリに向けた打ち手を明らかにすること。 7. 選択的夫婦別姓制度の早期実現を含めダイバーシティ社会の推進に向けた方針を明らかにすること。 新経連では、「自らの本業を通じた社会的課題の解決への貢献により、日本経済と社会の発展に寄与するべく、政府と連携協力していく所存」(同)としている。 なお、新経連は2024年9月に「税制改正」「規制改革」を政策提言。税制改正は法人税・所得税・相続税の税率引下げ、地方財源強化の見直し、AIの開発強化・利活用促進に向けた税制の創設などを提言した。 規制改革ではライドシェアの全面解禁、労働基準法見直し、暗号資産ETFの解禁、オンライン診療阻害要因の除去、医薬品販売制度の見直しなど63項目を提言している。