【広島】G大阪に打ち砕かれ9年ぶりV届かず、主将佐々木翔は号泣「2位自体は胸張ってもいい」
<明治安田J1:G大阪3-1広島>◇第38節◇8日◇パナスタ サンフレッチェ広島の逆転優勝はならなかった。9年ぶり4度目の夢は、敵地でガンバ大阪に完全に打ち砕かれた。 今季限りで現役を引退するMF青山敏弘(38)は、ベンチ入りしたものの出番はなかった。最後はサポーターにあいさつし、涙をにじませた。 「この経験が、彼ら(後輩)の力になり、クラブの成長につながる。こういう(悔し)涙は僕も経験したことがあるので、きっと彼らの成長につながる」と前向きなコメントをしたが、現実的に完敗だった内容を踏まえ「この試合に関しては、そんなに甘いものではなかった。今日の吹田(会場のある大阪・吹田市)での試合は、僕たちを強くする」と総括した。 前半13分にCKからあっさり失点すると、その後は猛反撃を仕掛けたが、どこか焦りがあり、パスがひっかかり、シュートの精度も欠いていた。3連続失点したチームは、後半終了間際にFW加藤陸次樹(27)が1点を返すのが、精いっぱいだった。 来季は青山の背番号6を継承し、チームリーダーになるMF川辺駿(29)は「G大阪との差はあった。G大阪はすごいいいチームだった。今の自分たちだと、何回やっても、そんなに変わらない結果になる。この負けを来季につなげないといけない」と言葉を絞り出した。 勝ち点4差で2位に終わった主将DF佐々木翔(35)は試合後、号泣した。 「優勝できなかったのは悔しい。サッカーは先制点が大事だと感じる。あとは自分たちもチャンスがあったので、しっかり決めきれればよかった。2位自体は胸を張ってもいい」 その他の選手も大粒の涙を流していた。 来季4年目も指揮を執るミヒャエル・スキッベ監督(59)は、最後の円陣で選手に声をかけた。 「オフを経てもう1度、来季は強い広島を見せてやろうじゃないか」 今季は広島市のど真ん中に待望の新本拠地エディオンピースウイング広島が誕生したことで、チケット完売が続出。30年ぶりに観客動員記録を更新し、経営規模も進化していく広島の25年シーズンに期待だ。