フラワーカンパニーズ、2度目の武道館公演に向けてインタビュー「前回の感謝もあるし、今回は素っ裸で武道館に行く」
2025年9月20日、フラワーカンパニーズが自身2度目となる日本武道館でのワンマンライブ『フラカンの日本武道館 Part2 ~超・今が旬~』を開催する。フラカンが前回、武道館公演を行ったのは、10年前の2015年。当時は約10カ月という長期間をかけて行われたプロモーション、さらに仲間のバンドたちやライブハウス、そして多くのファンたちの熱い応援もあり、見事にチケットはソールドアウト。フラカンというバンドの愛されっぷり、そして、彼らが蓄積してきたものの重みとすごみを改めて感じさせる記念碑的なライブとなった。あれから10年の時を経て、再びフラカンは武道館に立つ。以下からはじまるインタビューでは、2度目の武道館公演に至った経緯や心境について、4人に語ってもらっている。 【全ての写真】フラワーカンパニーズの撮り下ろしカット(全26枚) 4人の発言の中には、なまなましい言葉も出てくる。動員的な部分での不安、加齢によって見えてくるもの。そうした前提のうえで、ライブタイトルの通り『今が旬』であるという自負が、彼らを武道館の舞台に再び駆り立てている。そして取材中、個人的に印象的だったのは、「誰かのため」という言葉が出てきたことだ。1歩足を踏み出そうとするとき、力を与えてくれるのはそういう思いなのかもしれないと、話を聞きながら感じた。 ――まずは、2025年9月に10年ぶりの日本武道館公演を開催するに至った経緯を教えてください。 グレートマエカワ 10年前の武道館をやり終わったときから、俺の中では「絶対もう1回やろう」とは思っていたんです。ただ、その後コロナがあったり、ツアーの動員なんかも含めて「もうちょっと状況がよくなったら……」と思っていたんだけど、なかなかそんなにはよくならなかった。年齢は重ねていくし、「どうしようかなぁ」という感じが続いていて。でも、この2年くらいかな、ライブの調子がすごくいいんだよ。確固たる自信が持てるぐらい、ライブの調子がいい。特に鈴木(圭介)の調子が最高潮であることは肌で感じていて。「2度目の武道館をやるなら、ここだな」と思ったんです。 ――今年のツアーのタイトルが『今が旬』で、来年の武道館のタイトルが『超・今が旬』であるのは、そういうところから来ていたんですね。2度目の武道館の話が出たとき、みなさんはどう受け止められましたか? 鈴木圭介 最初に話が出たのは、1年前くらいかな。リーダーとスタッフの間で出ていて。俺としては「もうやらないでいいんじゃない?」と最初は思った。ここふたり(鈴木と竹安)は、最初は「もういいんじゃない?」という感じだったよね。 竹安堅一 というか、前回の武道館でもやり残したことはあるし、希望的観測としては「いつかはやりたい」と思っていたけど、自分たちの現状を見ると「口に出してはいけない夢なのかな」というのはあって。でも強めの目標を立てることはいいことだと思うんだよね。そうしないと、現状維持すらできなくなるから。 ミスター小西 僕はそこまで深くは考えていなくて、「やる?」と聞いてくるのって、成功するかどうかは置いておいて、「やろう」という気持ちがあるからじゃないですか。前の武道館のときのことを振り返ると、もちろんやれたことはうれしかったけど、緊張からほとんど記憶がなくて。終わった後、「チャンスがあれば、もう1回あの場所に立ちたい」と思ったんですよね。だから「やる?」と聞かれたら、僕は、他には何も考えず「やりたいです」と。大変なことはもちろんあると思うけど、「前回のことを考えると……」という感じでしたね。 マエカワ 鈴木と竹安の反応は、「本当に大丈夫?」という感じだったよね。 竹安 そう、やりたいのは山々だけど…….、っていう。 鈴木 俺は、心配なのは動員のことだけだから。ライブの内容に関しては、やれると思う。でも「動員が無理じゃない?」ということ。あと、こういう言い方をするとしらけちゃうんだけど、俺は会場にこだわりがないから。今のキャパの会場で満足しているし、会場が大きかろうが小さかろうが、あまりライブに影響はない。そこは受動的だと思う。 ――会場にこだわりがないということは、10年前の武道館のときもおっしゃっていましたよね。鈴木さんの中では、どのようにして2度目の武道館を「やる」というふうに気持ちが向いていったのでしょうか? 鈴木 今ライブが楽しくなっているし、あとは年齢かな。同世代のバンドマンが亡くなったりもしているし、俺たちも、このメンバーであとどれくらい続くか分からない。歳をとればとるほどやりづらくなるのは確かだし、「動員的に無理」とか、そんなことを言っている場合ではないなと思った。できなかったらできなかったで、また頑張ればいい。まだ頑張れると思えるうちに、やっといた方がいいかって。そういうふうに決めたら、気持ちは高揚してきたね。そういう判断を下してよかったなと思う。